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パットさえたショットメーカー 岩井明愛が“捨てた”2勝目への意識

◇国内女子◇住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 初日(15日)◇新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知)◇6534yd(パー72)◇晴れ(観衆5227人)

12番パー5。フェアウェイからフロントエッジまで234yd、奥ピンまで270yd。岩井明愛の“直ドラ”はグリーンを捉え、20ydほど転がり手前5mのイーグルチャンスとなった。しかし、パットは外れ、惜しくもバーディにとどまった。

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セカンドショットの手応えに笑顔を浮かべた岩井が、パットに関しては難しい顔つきでうなった。「う~ん、12番はラインが見えなかったんで」。振り返り、入っていれば大会コース記録を更新、そして6月「ニチレイレディス」の第2ラウンドでマークしたツアー自己ベスト「62」に並んだ可能性もあったが、さして残念がることはなかった。

部門別ランクでドライビングディスタンス平均7位(254.58yd)の飛距離を持ち、パーオン率1位(74.83%)を誇るショットメーカーだが、この日はグリーン上がさえた。9番からの5連続を含む9バーディのうち、2オンした12、15番を除き、最も短いバーディパットは2番の2.5m。残り6バーディは5m前後を沈めた。パットでスコアを作った。

パットの調子がいい日は「さっと分かるんです。強さとか、ラインとか」という。重ねて技術的なことを問われると「う~ん…」と考え込み、具体的な言葉を探すが出てこない。表現が総じて感覚的だ。

ツアーは終盤を迎え、年間女王争いも佳境に入っていく。岩井はメルセデスランキング3位で、優勝なら200ptを得て、今大会不出場の1位・申ジエ(韓国)との約443pt差を半分近く詰められる。しかし、そこは「全然気にしていない」とチェックもしない。1位のパーオン率のデータも見ない。何より「優勝は全然考えていません」と言い切った。

4月「KKT杯バンテリンレディス」のツアー初優勝後、2位が5回。「『2勝目を…』という意識が結構強かったんですけど、先週ぐらいからあまり考えないようにしようって。考えちゃうと自分のゴルフに集中できないので」。コース上で意識するのは「集中して、いいプレーをすることだけ」。その先に結果がついてくる。意識していない今季中の2勝目へ。天才肌を思わせる21歳は「はい。自信はあります」とはっきり言い切った。(愛知県美浜町/加藤裕一)

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