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五輪銀、ツアー9勝、賞金女王…稲見萌寧「心が折れた」あの時を乗り越えて

◇国内女子メジャー◇JLPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(28日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6543yd(パー72)

今季通算9勝、東京五輪銀メダル、賞金女王…。稲見萌寧は「自分の中で100点だと思います」と大躍進した自分をほめた。「完璧主義者」とあって少しの妥協も見せずに走り切った長丁場のシーズン。漢字一文字で「完」と表現し、「完結でもあるし、やり切った感がすごい。(その都度)立てた目標を何個もクリアできて、『よくできました』ということで」と満面の笑みを浮かべた。

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ただ、試合が終わればすぐに練習、トレーニング。それを当たり前にこなすなかで「心が折れた」時はあったという。

1度目は夏場だった。6月「宮里藍サントリーレディス」は4打差をつけて単独首位で最終日を出て1打差逆転負け。その2週後「アース・モンダミンカップ」、続く7月「資生堂レディス」と2週連続で予選落ちを喫した。「オリンピックの代表も他人任せというか自分の実力でなかなか取れるって状況じゃなくなってしまって、というところで1回折れた」

2度目はシーズンも残りわずかとなった終盤。腰痛を発症し、10月「マスターズGCレディース」最終日のスタート前に棄権し、翌週大会は欠場を余儀なくされた。「ショックは大きかった」と挫折しかかった。

コーチ、トレーナーら周囲の助けもあって「やっぱり一番の立ち直りは成績を出すこと」と立ち止まることなく前を向いてきた。「負けたりとか(心が)折れた時こそ、練習をしたりとか色々試行錯誤してやったりしていた。折れても、折れてなくても、勝っても、負けても練習」。不屈の精神が賞金女王につながったという。

長かったシーズンも終わったばかりだが、「一年終わって、今年より来年、来年より再来年と考えると来年大変なことになる。今年は今年で終わりにして、まずは一年に1勝出来るように頑張りたいな。どれも完璧ではないので全て完璧を目指して、最強なプロゴルファーになりたい。(自分のゴルフを)極めていきたい」と次なるシーズンへ向けて口も滑らか。そのためオフは「練習とトレーニングをしてさらにパワーアップを」と早くも“練習の虫”がうずいた。(宮崎県宮崎市/石井操)

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