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一度はゴルフをやめた松原果音 稼ぎながら3度目の挑戦

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度プロテストが3月10日にスタートした。未曽有の事態の中、多くの選手が「合格率3.3%」ともされる狭き門に挑んでいるが、彼女たちは何を思い、クラブを握ってきたのか? その素顔に迫る。

■ツアープロをあきらめ、コンビニでアルバイト生活

21歳の松原果音(かのん)は、一度ゴルフをやめている。高校卒業後1年目に受けた18年度の1次で落ち、ファーストQT(ツアー予選会)も通過できなかったことが理由だった。「『もう、受かる気がしない』と思い、ゴルフから離れてコンビニでバイトしていました。キャディの仕事もしていたので、コースには行っていましたが、もう、ツアープロはあきらめた状態でした」

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だが、3カ月後には再びクラブを握る日々になった。「目標がないことのつまらなさを痛感したから」だった。挑戦を再開するにあたり、「活動資金は自分で稼ぐ」ことも決意した。もともと両親からは「卒業して1年目は面倒を見るけど、2年目以降もゴルフを続けたいなら、自分で稼ぐようにしなさい。その代わり、口出しもしないから」と言われていた。「愛があるからこその言葉と理解しましたし、自分でもそうすべきと思っていたので」

キャディの仕事を続け、スポンサーも探し、基盤を固めた上で、自身2度目の19年度テストに挑戦。結果は最終61位タイだった。JLPGAのルール改正により、合格ラインから2打差以内に入れなかった松原はQT受験資格も得られなかったが、1次不通過だった前年からは前進できた。

「初日に77もたたいてしまい、それが響きました。『スタートダッシュできていれば』という思いはあります。出足が良くないのは今も課題で、スタートホールでボギーをたたいたりしますが、気持ちの切り替えは速くなりました。そこが1年目との違いです。ゴルフはミスがつきものですし、いちいち腹を立てないようにしています。1番がダメでも2番で取り返せるように」

■2回目で最終61位タイ、今回は1次免除で2次から

20年3月からはDSPE(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)の月例競技会に参戦。テレビマッチの出演も重ねて、ファンを増やしつつある。「月例競技会は毎月やっていただき、入って良かったと思っています。みんなが上手いので、刺激になっています。テレビマッチもありがたいですし、最近はカメラで撮られても緊張しなくなりました」

前回テストで最終まで進出したことで、今回は1次が免除で2次からの挑戦になる。一方で、20年から続く国内女子ツアーは「ダイキンオーキッドレディス」から再開し、同世代の選手たちが活躍しているが…。「焦りはないです。将来、賞金女王になることが目標なので、早い合格にこしたことはないですが、ゴルフが人生の全てではないという思いもあります。一生懸命やりますが、結果はどうなるか分からないし、人と比べることはないです」

2次テストは5月に実施されるため、現在はラウンド練習を重ねながら、週3回のトレーニングに励んでいる。「4日間、しっかり戦えるようにしたいですし、体がごつくないので、がっちりさせたい思いがあります。あとは、ショートゲームを磨いています。もっと(精度を)上げていきたいです」。挫折を乗り越えた21歳は、今回も人事を尽くして天命を待つ。

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