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母が明かした大江香織のツアー引退決断の理由

◇国内女子◇伊藤園レディス 最終日(17日)◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741yd(パー72)

大会前に一戦から退くことを表明した大江香織が、自身のツアー最終戦を終えた。ロープの外から18ホールを金田久美子柏原明日架穴井詩らツアー仲間が見守り、18番グリーンには先にホールアウトした葭葉ルミイ・ボミ(韓国)、福田真未勝みなみら。そして、2009年のプロ転向から帯同してきた母・裕子さん(56)の姿もあった。

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2012年「フジサンケイレディス」でツアー初優勝し、昨年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で通算3勝目を挙げた。大江本人が最も印象に残る試合は16年「Tポイントレディス」の2勝目だという。2打リードの首位で迎えた最終18番で木の根元、池ポチャとトラブルに見舞われながらもナイスボギーでしのいだ。「最後ドタバタして、ダサかったけど自分でもびっくりした」優勝だった。

それらすべてを見守ってきた裕子さんは、娘の決断を今年の夏前に知った。「本人がやりきったと思うなら、それでいいと思った。だって、もう10年ですよ」。毎週試合を見てきて、その理由も理解していた。

「物理的に(全体の)飛距離が伸びている。フィジカル的にもこれからみんなどんどん大きくなるし、飛距離を出す選手がいっぱい出てくる」。153㎝と小柄な大江が立ち向かうのは容易ではない。

さらに、「ピンを狙うセカンド(第2打)の番手が(ほかの選手と)全然違う。ピン位置もここ何年か厳しいところに切ってあるので、スプーン(3W)とかで狙えるピンポジションじゃない。アイアンで上からドンといかないと狙えない。これは物理的に無理だと。ちょっと前なら20~30yd足りないと思っていたのが、今年だと40yd足りない。パーを拾いに行くゴルフじゃなく、バーディを取りに行くゴルフをしないと、今年できても来年は難しい」

大江にゴルフをすすめたのは、裕子さんだ。地元山形でゴルフ部があった私立中学に入学させた。「最初は押し付けたみたいな感じだったけどよくやってくれた」。本人は宮里藍さんに憧れて東北高へ進み、プロ転向。「ここまでやってくれるとは思わなかった。大人になってから、ひとつぐらい特技があった方がいいかなと思っていた」

基本的に帯同キャディを起用せず、裕子さんがほぼすべての試合に付き添い、荷物の持ち運びや移動のレンタカー、ホテルの手配をしてきた。

娘が区切りをつけたことで生活は変わる。「いままでずっと飛行機や新幹線で乗り換えたりして、(大江が住む)東京は素通りだったので、せっかくだから(山形から)遊びに来たりしようかな」。本音は「悲しいですよ、さみしいです」と口にしながらも、大江と同じようにすっきりした表情だった。(千葉県長南町/清野邦彦)

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