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「何も思わない」首位発進の岩田寛が試みるのは無の境地?

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 初日(31日)◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7566yd(パー71)

2014年大会でツアー初優勝を飾った富士桜。岩田寛がリーダーボードのトップで初日を滑り出した。前半17番(パー5)で今季2つ目のイーグルを奪ったほか、5バーディ、4ボギーの3アンダー「68」とした。

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今年から250ydに伸びた13番(パー3)で、グリーン左エッジから10ydをパターで沈めてバーディ発進。続く14番、15番(パー5)もバーディで3連続とすると、17番では269ydの2打目を3Wでピン奥3mに乗せてイーグルとし、一時は5アンダーまで伸ばした。1m弱のパーパットを外した18番から4つのボギーをたたいたが、前半の貯金を生かして好スタートにつなげた。

18番を含めて、ストレスがたまる展開でもあった。8番と9番では、フェアウェイからグリーンを外して連続ボギーフィニッシュ。後味の悪さを残したが、ホールアウト後の岩田は穏やかな口調で「3アンダーで良かったです」とつぶやいた。「バーディを獲ってもボギーを打っても何も思わない。今は悩みたくもないし、何も考えたくもないです」。プレー中のすべての感情を抑え込み、いわば“無の境地”に入っていた。

フェアウェイに運んでもパットを決めても、少しでもミスと感じれば悩みこんでしまう完璧主義者。プレー中でも怒りと悩みで集中力を乱しやすい欠点は、痛いほど自覚してきた。コースを離れても頭に浮かぶのはゴルフのことばかり。夢の中のミスショットで、夜中に目が覚めることも少なくなかったという。

試みているのは、感情を封じるメンタル術。「怒らないようにすると、やる気がなくなっちゃう。自分でも難しいんですよ」と手探りの状態は続くが、2日目以降も「淡々と」と方針は変わらない。報道陣に向けて「今はあまり深く考えたくないので、できればそっとしておいてほしいです」と本音を漏らし、ほおを緩めた。(山梨県富士河口湖町/塚田達也)

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