プロ8年目・小林伸太郎が初勝利に王手 片山が2打差追う
2016年 マイナビABCチャンピオンシップ
期間:10/27〜10/30 場所:ABCゴルフ倶楽部(兵庫)
晴れの舞台は整った!小林伸太郎がツアー初優勝へ挑む
◇国内男子◇マイナビABC選手権 3日目(29日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217yd(パー72)
3日間続けて60台で回ったのは、ツアー初優勝を目指す小林伸太郎ただ1人。晴れたと思ったら雨が降り、風がぐるぐると向きを変えて吹く慌ただしい1日を、4バーディ、1ボギーの「69」でしのぎきり、通算10アンダーで首位に立った。
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首位を快走していたはずのチョ・ビョンミン(韓国)が、11番でトリプルボギーをたたくなど8番からの4ホールで5ストローク落として急降下。普段はおっとりとした丁寧な口調の小林だが、さすがに13番ホール脇のリーダーボードの最上位に自分の名前を見つけたときには驚いたという。「びっくりした。自分でも信じられなかったです…」と目を丸くした。
15番(パー5)では、右ラフからの2打目に5Wを選択し、グリーンから距離のある難しい右バンカーに入れてしまう。バーディ欲しさに冷静な判断ができなかったことが反省点だ。「結局ナイスパーで終わったけど、プロゴルファーとして正しいジャッジができれば良かった」と小林は言う。30歳と年齢的には中堅に差し掛かるが、日々勉強の毎日だ。
2004年に日本ジュニア選手権(男子15歳~17歳の部)、2007年には日本アマチュア選手権を制したが、2009年のプロ転向後はまだ下部ツアーも含めて優勝はない。「アマチュアで優勝したけど、日本オープンに出たりして、プロで通用するわけじゃないことは痛感していた。僕は1歩ずつ、1歩ずつ」と、地道に自身の道を歩んでいる。去年、ようやく賞金ランク63位で初の第2シード(*賞金ランク上位60人に次ぐ15人)に滑り込んだ。
今シーズン開幕前の宮崎県での合宿で、谷口徹に指摘されたことが今でも耳に残っている。
谷口:本シード(賞金ランク上位60人)に幾ら足りなかったんだ?
小林:100万円ないくらいです
谷口:それは予選を通過している数が少ないからだ。石にかじりついてでも予選通過しろ
今年、初日にたたいてしまったときに浮かぶのは、谷口のこの言葉。今季の予選通過率は一昨年の約44%から約63%へとアップした。
最終日は、ツアー初優勝を目指して自身初の単独首位からスタートする。「もちろん優勝はしたいけど…」と野望は抱くが、「まずは自分が集中しないと。(2打差2位の)片山(晋呉)さんが一緒なので、プレーを見ながら勉強させていただいて、その中で自分自身のゴルフが表現できたらと思う」と、これも1つの成長機会ととらえている。
兵庫県加東市は“ほぼ”地元でもある。5年前に結婚した妻・美咲さんとは、隣の三木市に自宅を構え、所属契約を結ぶ“焼鳥まさや”も県内の西宮市を拠点とする。加えて明日30日は、美咲さんの28回目の誕生日だ。晴れの舞台は整ったと言えるだろう。(兵庫県加東市/今岡涼太)
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