レギュラーツアー本格参戦1年目。池村寛世はチャンスをつかめるか

国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」が14日、開幕。会場の東建多度カントリークラブは午後から強風が吹き荒れた。早朝にスタートした多くの選手がスコアを伸ばす中、午前11時40分からのスタートで気を吐いたのが20歳の池村寛世（ともよ）。6バーディ、2ボギーの「67」をマークし、4アンダー5位タイ発進を決めた。

昨季2勝を挙げた下部チャレンジトーナメントで賞金ランキング3位に入り、限定的ながら今季のレギュラーツアー出場権を獲得。サツマイモ農家を営む鹿児島の実家の手伝いをしながら、練習に励む異色のプロ4年目だ。転戦の費用は自身が稼いだ賞金でまかなうこと、プロゴルファーとして生活ができなくなったら、家業を継ぐのが父・聖司さんとの約束。それは「出られる試合がなくなったら、また手伝いです」と今年も継続されているという。

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その手で作るサツマイモ「紅はるか」は、銘酒として知られる芋焼酎「魔王」の原材料に使われている。オフの間は午前中に大量のイモを洗い、箱に詰め、15km離れた練習場まで走ってからボールを打ち込む生活を送った（クラブは練習場に置いてある）。近代的なトレーニングジムの施設がそこになくても、足腰が自然と鍛えられるのもうなずける。

昨年8月に二十歳の誕生日を迎え、魔王も口にしたが「焼酎、あまり好きじゃないです…。正月に少し飲みましたかね、おいしさが分からないですね。ビールも分からない。飲んでもカクテルばっかり」。あどけなさが残る顔。ツアープレーヤーとしても、大人としてもまだ歩みを始めたばかりだ。（三重県桑名市／桂川洋一）