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これがワールドクラス!松山英樹、バーディ→イーグル締めで歓声の地響き

地力が違う。苦しんでも最後に帳尻を合わせる。これがワールドクラスのスコアメーク術だ。宮崎県のフェニックスカントリークラブで開催中の国内男子ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」3日目。4アンダーの11位タイから出た松山英樹は1イーグル、4バーディ、2ボギーの「67」(パー71)で回り、通算8アンダーの4位タイに浮上した。

聞きなれた、地響きのような歓声だった。最終18番(パー5)、フェアウェイから残り240ydの2打目。UTでフィニッシュをとった松山の表情はわずかに陰った。「当たりが良くなかった」。だがボールが止まったポジションは、周囲の期待と寸分違わない。ピン左奥2mにピタリ。鋭い眼光でカップにイーグルパットを流し込み、もう一度、声援で地面を揺らした。

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「パットを外し過ぎて、皆さん、ため息ばかりだった。最後に入って良かったと思います」。安堵感を噛みしめるように、小刻みにガッツポーズを作った。

単独トップの宮里優作になんとか4打差で踏みとどまった。序盤からチャンスを作っても、秋空を仰ぎ続ける展開だった。7番(パー5)で4mのバーディパットをやっとの思いで沈めた直後の8番。バンカーショットのあと、2mのパーパットを外すとグリーンの端へ歩き、その場にしゃがみ込んだ。「きのうまでと違って良いストロークが増えたけれど、なかなか入ってくれなかった」。進藤大典キャディとラインを相談するシーンが増え、後半インでも2m前後のバーディパットがことごとくカップ際を抜けた。

だからこそ終盤17番(パー3)、5mのスライスラインを沈めたバーディに価値を強く見出す。「17番のパットが入ったのがすごく大きかった。いつもなら打ってから自信を持って歩き出すんですけど、きょうはちっとも自信がなくて『入るかなあ』と(その場で)見ていた。気分良く18番に行けました」。

ショットで演出したチャンスをすべて生かせれば、とてつもないロースコアが飛び出した可能性もあった。「(パットが)入らないのが僕なんで。ショットがもっと悪くなれば入るのかも。うまくできてますよね、ゴルフって」と、あっけらかんと笑う。ラウンドを客観視する冷静さ、どっしりと結果を受け入れる姿には、年齢と体格以上の風格が漂った。

「去年は岩田寛さんが(最終日に)7打差を追いついてプレーオフになった」と記憶している。「だからまだ、どれだけ差があっても分からない。チャンスが残っただけ助かったという感じ。残り18ホール、ベストを尽くした結果、優勝につながればいい」。無限の陰影を生み出す松林から、再び連覇への光が差し込んだ。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)

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