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谷原秀人 療養中の父に贈る2季ぶりV

2015/11/08 18:34


国内男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」最終日を首位タイから出た谷原秀人が、4バーディ、3ボギー「69」(パー70)でプレー。後続に2打差のリードをつける通算11アンダーで逃げ切り、2013年「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来となるツアー通算11勝目を飾った。優勝賞金4000万円を加算して賞金ランクは前週25位から3位に急浮上。「メチャクチャ嬉しいですね」と久々のタイトルの喜びにひたった。

最終的には2打差に詰められはしたが、5打差リードでサンデーバックナインに入る盤石の内容だった。「8番、9番に尽きる」という2ホールでは、ともに6mのバーディパットを決め、雨の影響もあり停滞したリーダーボードで独走態勢を築いた。「最後は、やっぱりパットに助けてもらった」。ツアーでも指折りのパット巧者の持ち味が、最後まで光った4日間だった。

今年7月の「セガサミーカップ」では、「今年は悪いことが続いている」とこぼしていた谷原。生業とするゴルフではなく、主に私生活についての話だった。自宅に置いていた遠征用の自家用車が盗難。何よりも気持ちを重くしたのは、「ミズノオープン(5月)ごろに聞いた」という父・直人さん(67)の病だった。

「胃ガンです」と病名を明かした谷原が言うには、発見当時の進行度はすでに高く、「アメリカの治療法を取り入れたり、できることは全てやった」という。「僕たちの行いが悪いんじゃないかと思って、妻とおはらいにも行った」という家族の祈りも通じたのか、最近になって病状は改善の傾向にあり、ゴルフを数ホールプレーできるまでになった。「それが、何よりも嬉しいんです」。会見の席で、静かに微笑んだ。

ロープの外から声援を送り続けていた絢香夫人は、谷原の優勝が決まるとすぐに、直人さんに電話で連絡。「とても喜んでくれて。いい親孝行ができました」と涙声で話した。

2季ぶりの優勝、そして元気を取り戻した父の姿。仕事、私生活でようやく上昇軌道に乗ってきた今秋は、まだまだ高額賞金のビッグトーナメントが控えている。「メジャー(最終戦)がまだ1試合あるし、早くメジャーで勝ちたい気持ちが強い。あと3勝するくらいの気持ちで頑張りたい」。1カ月後のオフシーズンを、家族で心から喜びを分かち合える時間としたい。(千葉県印西市/塚田達也)

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