2026年 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ

「やりたくなかった」確信ガッツポーズ “宍戸で2勝”岩田寛の飽くなき向上心

2026年 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 4日目 岩田寛
最終18番でガッツポーズ。岩田寛がツアー通算8勝目を国内メジャーで飾った

◇国内メジャー第2戦◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日(7日)◇宍戸ヒルズCC 西C(茨城)◇7464yd(パー71)◇曇り(観衆5165人)

ウィニングパットになったことは、2m先のカップに入る前に確信した。片岡尚之コー・タイチ(香港)との三つどもえのプレーオフを1ホールで決着させる鮮やかなバーディ。試合中はいつも沈着冷静な岩田寛が力の限りこぶしを握る。「入ったら、出ちゃいそうと思っていた」ガッツポーズ。「やりたくなかったです。あの写真、(メディアで)載せないでほしい」。そいつはムリな話だ。

2026年 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 4日目 岩田寛
相棒の新岡隆三郎キャディと抱き合う

首位に3打差の3位から出たフロントナインは「あきらめたと言えば、あきらめていた」と明かす。2番(パー5)、木のそばから2打目で使った9Iがわずかに曲がるトラブル。4番までに2ボギーを喫し、同じ最終組の片岡、出利葉太一郎とは6番(パー5)を終えた時点で6打のビハインドを強いられた。「その時はふたりをめちゃくちゃ応援していた。ナオ(片岡)の8番の(1打目)OBも『助かれ』と思ったし、出利葉くんが9番のセカンドを池に入れたときも」。優勝争いからの脱落をひとり飲み込んでいた。

両選手がそれぞれダブルボギーをたたいた後、後半12番でスイッチが再び入った。セカンドで池に近い右手前のピンを攻めきれず、「左サイドにのせたのを後悔した」という。積極性を取り戻し、ティショットを8Iでピンそば1.5mにつけた13番(パー3)から3連続バーディ。「69」をマークして通算8アンダーで終え、プレーオフでも若手2人を退けた。

2026年 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 4日目 岩田寛
チャンピオンブレザーを奪還

2024年以来となる大会2勝目。同じく複数回優勝した伊澤利光宮本勝昌は別コースでの1勝が含まれており、宍戸ヒルズCCで2度勝った初めての選手となった。「初日に2回優勝した人がいないと聞いて、『わかる~』と思って。つらいですもん。難しくて」。同じくプレーオフで石川遼を下した2年前とはまた違う喜びが全身を伝う。

2026年 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 4日目 岩田寛
美しく、のびやかなスイングは健在

45歳の肉体は今もみずみずしい。トレーニングが日常的なのはもちろん、コロナ禍の時期から食生活も見直した。「永遠に食べられる」という大好きなお菓子もガマン。毎日でも食べたいラーメンも週1以下にガマン。「パワーを上げる、スピードを上げる、ケガをしにくい体にするトレーニングとか、いろいろ分けてやっている」

ハートはもっと若い。通算8勝のうち6勝は40代で手にしたもの。「藤田(寛之)さん、ジャンボ(尾崎)さん、海外だったらビジェイ・シン(フィジー)も。40代になってから勝った人はいっぱいいる。まだまだだと思います」。5年シード獲得で50歳になる2031年シーズンまで出場権を確保しても、岩田が見据えるのは今だ。

2026年 BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 4日目 岩田寛
ベイカレントCレクサスの出場権を獲得

本大会の優勝で今秋のPGAツアー「ベイカレントCレクサス」(神奈川・横浜CC)に出られる。「日本でやる試合。日本人選手にワンチャンスはあると思う」。年間ポイントランキングでは5位に浮上した。「意識はまだないですけど、年間王者になると海外への道が開ける。去年、DP(ワールドツアー/欧州ツアー)に少し出て楽しかった。その道にも行きたい気持ちはある」と欧米ツアー再挑戦の夢はずっと捨てられない。ベテランを支える向上心と人生の欲。「もっと飛ばしたい。もっとうまくなりたい」――。最後に「結婚したい(笑)」も付け加えた。(茨城県笠間市/桂川洋一)

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