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小平智に染み付いた米国のゴルフ 薄氷の予選通過で感じた変化

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 2日目(11日)◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉)◇7251yd(パー70)◇晴れ(観衆2942人)

「飛距離を求めない、曲がらないようにゴルフをする。それが難しく感じるようになった」。シードを失って一度は米ツアーを離れることを決めたが、7年で築き上げたプレースタイルはすっかり体に染みついている。2016年覇者の小平智は通算8オーバー48位とギリギリで予選を通過。いつからか、日本特有のセッティングに“ギャップ”を感じるようになった。

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過去10回出場した「日本オープン」は、優勝を含むトップ10が4度で予選落ちは2012年の一度だけ。フェアウェイを外せば長いラフで1ペナルティ、ティショットで飛ばしよりも精度が求められるセッティングは、以前は得意なはずだった。米ツアーで積んだ長いキャリアが、それを難しく感じさせる。2018年にスポット参戦した「RBCヘリテージ」で優勝して主戦場を米国へ。「向こうでは、ドライバーがダメでもセカンド、セカンドがダメでもアプローチが良ければカバーできる」と、“ある程度の”ミスなら取り返すチャンスがある。精度と同等以上にパワーが求められて来た。

2年ぶりに参戦した日本オープンは、そのゴルフが通用しない。「常にフェアウェイにいることを要求されるのが、ちょっと自分のゴルフとギャップがある」。対して、いままで苦手意識があった大会でも“変化”はあった。2位に入った9月「セガサミーカップ」は、過去9度出場して予選落ちが4度。「ラフがあまりなくて、飛距離が出たらスコアを出せるコース。前は苦手だったけど、得意になった」と海外転戦は確かに変化をもたらした。

今季は6月まで米下部ツアーを主戦場にしてきたが、年間ポイントランキング195位とシード獲得に及ばず帰国。ゴルフの調子は悪くないはずなのに、あと少しで予選通過に届かない。「心も体も疲れた」と南米も回る過酷な下部ツアーの生活は少しずつ踏ん張る気持ちを削っていったが、再び米国に戻りたいという気持ちは消えていない。

日本で立て直しを図る中、推薦で出場が決まっている24日開幕の「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉/アコーディア・ゴルフ習志野CC)にかけている。昨年は3打差の5位から最終日を戦って12位でフィニッシュ。「去年は良いきっかけをもらったので、是が非でも上位に行きたい」と今年も弾みをつけたい。

取り戻したいのは、「よっしゃ、ここでやってやる」と米国流のゴルフで戦う自分。ただ、まずは今週「人生で一番長いラフ…」と残り2日、日本でのタフな戦いを乗り切る気力が必要だ。(埼玉県狭山市/谷口愛純)

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