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ミラクル予選通過から「63」で首位と5打差 宮里優作「チャンスはチャンス」

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 3日目(13日)◇ザ・ノースカントリーGC(北海道)◇7096yd(パー71)◇晴れ(観衆2319人)

6月に44歳になった今季から「球が見えなくなったんで」と使い始めたイエローボール。決勝ラウンドになってパー5からパー4に切り替わった最終9番(485yd)で、宮里優作が187ydの第2打を8Iでピン前6mにつけて沈めると、力強く右拳を握った。

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「裏街道からだったんで、とりあえず行けるところまでと思って、リズム良く」。インスタート第1組で通算3アンダー34位から回り、1イーグル7バーディ、1ボギーと2022年6月9日「ASO飯塚チャレンジド」初日以来のビッグスコア「63」をマークした。「昨日のことを思ったら」と本人もびっくりの猛チャージだった。

ドラマは前日から始まっていた。予選第2ラウンド後半13番でトリプルボギーを叩いて、通算イーブンパー。「あれで予選通過なんて、遥か彼方に行っちゃった」。その時点の想定カットライン=3アンダーまで3打足りない状況の17番でチップインバーディを決め、最終18番(パー5)で275ydを3Wで2オンさせ、イーグルでフィニッシュした。「狙ってイーグルなんて久々で、初めてかも」というミラクルで決勝ラウンドに滑り込んだ。

東北福祉大から鳴り物入りでプロ転向しながら、初優勝は12年目の13年「日本シリーズ」。追い込まれて強いタイプだが、今季は特別だ。

1月に左ヒザの痛みが消えず、検査すると「半月板断裂」が判明した。「痛くてもそれほどじゃなかったのに、(病名を)聞いて急に痛くなったから不思議」。手術でなく、治療を選択したが“引退”の文字も「頭をよぎった」という。3歳からのゴルフ人生で初めて、1カ月半もクラブを握らない日々を過ごし、3月末の開幕戦「東建ホームメイトカップ」は欠場。前週まで出場9戦でトップ10なしの予選落ち3回。6月にやっと、まともな練習ができるようになった。

賞金王になった2017年を最後に優勝から遠ざかる。欧州ツアーに参戦した19年を除き、03年から守り続ける賞金シードも22、23年はきわどかった。「まさかこんな位置で最終日なんて。でも、チャンスはチャンス」。7年ぶりのツアー通算8勝目へ、首位とは5打差。コロナ禍明けから使い始めた長尺パター、イエローボールの大ベテランが意欲十分にラスト18ホールを迎える。(北海道千歳市/加藤裕一)

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