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「米国のQTを受けておくべきだった」 木下稜介を海外に駆り立てる“後悔”

◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 2日目(26日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)◇曇り(観衆2720人)

3年前、木下稜介はその切符を持っていた。あとは自分が使うか、使わないか。「正直、アメリカのQT(予選会)はあの年に受けておくべきだったなと思います」。偽らざる本音だ。

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2021年に「日本ツアー選手権」での初優勝から2試合連続Vを飾り、賞金ランキングで躍進。10月時点でランク5位以内に入っていたことで、米下部コーンフェリーツアーの最終予選会から戦える状況だった。コロナ禍の当時は渡米すれば帰国後に2週間の隔離が必要。高額大会が並ぶ秋の欠場が続けば、賞金レースからは大幅な後退を意味する。悩み抜いた末、「日本の賞金王を狙うという方を結果的に選んでしまった」と振り返る。

ランク3位でマネーキング戴冠を逃したことはもちろんだが、現実味を帯びてきていた夢の米国挑戦がどんどん遠のいていってしまったことが悔しい。22年8月の改訂によって日本ツアーで獲得できる世界ランキングポイントも大幅に減り、海外メジャーへのスポット参戦も容易ではなくなかった。自らの決断と現状を受け止めた上で「あの時QTに行っていたら、いまの自分はどうなっていたのかなと正直に思いますね」と言った。

昨年、アジアンツアーへの参戦を積極的に繰り返したのは「日本とは全く違うコースで修業ができる」という思いから。「マスターズ」覇者のセルヒオ・ガルシア(スペイン)とプレーする機会にも恵まれた。「飛ぶし、アプローチもすっげー柔らかくて。『天才やわ、この人』って」。ツアーに出始めたばかりのルーキーのように目を輝かせて話す。

暫定首位と3打差の通算7アンダー。折り返して4番(パー3)で最初のボギーを喫してからはピンチの連続だった。カラーからパターの寄せがショートした5番を何とかしのいだ直後、タフな6番では完ぺきなティショットを打ったのにセカンドを大きく引っかけてガックリ。それでも、8m近いパーパットをジャストタッチで沈めて粘った。

「優勝争いできる位置で最終日を迎えられるように」。何としても、海外に飛び立てるチャンスをつかみたい。今度は迷わない。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)

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