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窮地で記録更新のチャンス 片山晋呉が26季連続賞金シード獲得に前進

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(12日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

あきらめていた、というのが紛れもない本心だった。大会前の賞金ランキングは94位におり、上位65人に付与される賞金シード獲得は風前の灯火。連続記録が途絶えそうな窮地で、片山晋呉が底力を発揮した。最終18番(パー5)で3mのバーディパットをねじ込んで「70」。通算5アンダー6位で今季初のトップ10入りを決め、ランクを66位に急浮上させた。

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1997年末の初獲得から25シーズン連続で賞金ランキングによるシードを維持。今季シニアツアーにデビューした50歳は、振るわない成績から今大会をシーズン最後のレギュラーツアーにするつもりだった。

賞金ランキングによるシード権獲得の連続記録は尾崎将司の32季が最長。通算31勝の永久シード選手である片山は賞金シードを逃しても、来季以降もレギュラーツアーに参戦できるが、窮地で歴代2番目の数字さらに伸ばせるチャンスが出てきたから悩ましい。今週のシニア「すまいーだカップ」(16~18日/栃木・イーストウッドCC)参戦後、翌週どちらのツアーに出るか決断を迫られる。

「気持ちよくシニアに行こうと思っていたのがね…。まあ、25年(シーズン)連続で取ったし、それが26年になったところで何が変わるのかと、いろんな人にも言われるし。本当にどうしたらいいかなって。ダメだったらあきらめられるじゃないですか、スパッとね」

最終戦終了後、ランキング65位以内で出場義務試合数に達しない選手がいた場合、シードのボーダーラインは繰り下がるが、試合に出場しなければ片山のランクが浮上する見込みはない。これからすべきは、他選手の状況把握とシミュレーション。「計算しないとね。生まれて初めて計算します。いまの感じなら(自分は)予選は通りそう。その辺が悩ましいところ」と、うれしい誤算が生まれた。

過去2勝の御殿場でシニアになっても大歓声を集めた。「ちょっと最後(18番)、しびれたよ。(バーディパットが)入ったら計算上、どうなのかなって。50歳になって、こんな興奮とか、ドキドキとか、考えることをまだやれている。やっぱりいいよね。ゴルフって。つくづくそう思ってやってましたよ、きょうは」と笑顔でいっぱいだった。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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