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バーディ締めで28位フィニッシュ 蝉川泰果「この悔しい経験が次に生きる」

◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 最終日(6日)◇ABC GC(兵庫)◇7217yd(パー72)

「待ってました!」とカメラマンが思わず声をもらした。最終18番(パー5、525yd)2打目。ボールとグリーンの間には大きな木が立ちはだかり、グリーン手前には大きな池が待ち構えるロケーションは、蝉川泰果にとってまさに“魅せ場”だ。ピンまでは163yd。9Iで放たれたボールは木の右を抜け、ドローの弾道を描いてグリーンにキャリー、傾斜も手伝って手前に落ちてきた。

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カラーからのイーグルパットを80cmまで寄せて、72ホール目はバーディ締め。グリーンを取り囲んでいた大勢の地元ギャラリーから拍手と歓声が送られた。

最終日は5バーディ、2ボギーの「69」。プロ初戦を通算7アンダー28位で終えた。「予選通過はできたけど、期待されている中でこういう結果になってしまって悔しい」とデビュー戦を振り返った。

「フルスイングじゃなく飛距離を調整する打ち方だったり、パッティングの距離感の2つの課題が得られた」。史上初のアマでツアー2勝を挙げて乗り込んできたが、収穫もあった。

上がり2ホールの17、18番では、アマチュア時代にはなかったことも頭に思い浮かんだ。「一打で何十万、何百万が変わると思いながらプレーしていた」。4日間を戦い抜いたご褒美の“初任給”として82万2000円を獲得した。使い道は「まだない。もっともっとためて、JT(ゴルフ日本シリーズJTカップ 12月1日開幕)が終わった時に色々考えたい」。まずは最終戦まで精いっぱい駆け抜ける。

次戦は「三井住友VISA太平洋マスターズ」(11月10日~13日/静岡・太平洋C御殿場コース)だ。「これだけ課題がある中でもこのスコアでまとめられたので、もっと上に行ける。この悔しい経験が次に生きてくるので、忘れないように」。21歳のルーキーは、もう次を見据えている。(兵庫県加東市/内山孝志朗)

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