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トランキーロ… サービス精神も宿った桂川有人は首位ターンに「まだ早い」

◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 2日目(30日)◇三好CC西コース (愛知)◇7300yd(パー71)

憧れの人を前にして、桂川有人は「固まってしまった」そうだ。7月に出場した海外メジャー「全英オープン」直前に訪れた後楽園ホール。密着していたテレビ番組制作のサプライズで、大ファンの新日本プロレス・内藤哲也に初めて対面した。

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4月にツアー初優勝を飾った際、目を見開く“決めポーズ”を拝借。ただ、本家からは直接「恥ずかしそうにやっていたのが屈辱でした」と注文を付けられてしまった。「申し訳なかったです…」という反省はここ最近、行動を少しずつ変化させている。好プレーをすれば、ギャラリーの声援に懸命に応えるようになった。

この日は石川遼が腰痛のため途中棄権。5番(パー3)以降は中島啓太との2サムのラウンドになっても多くのギャラリーを引き連れ、沸かせた。3つ伸ばして迎えた後半10番、6mのバーディパットを沈めて手を空に掲げた。2ホール後の12番(パー5)では残り269ydの第2打を3Wでピンそば4mにつけ、イーグルを決めて笑顔で喜んだ。

「やっぱり、ゴルフって…なんだろう、地味っちゃ地味だと思うんです。分かりやすく表現したほうが盛り上がるかなと」。本来の控えめな性格を奮い立たせて、周囲を盛り上げようとするサービス精神。「自分が楽しめば、周りの人も楽しんでくれる。そういう意味でもリアクションも意識していた」。地元・愛知県のファンを持ち上げたのはもちろん、プロとしてのパフォーマンスだけでなく、大会コースレコード「63」のプレーでもあった。

通算11アンダー、2位の岡田絃希に3打差をつけて首位に立った。待望の2勝目へは絶好の位置。はやる気持ちを抑えてくれるのは、やっぱり憧れの人のお決まりのフレーズだ。

トランキーロ(落ち着いて)、あっせんなよ!

「まだ、あした3日目。まだ早いです。それをずっと思っている」。キャディバッグに付けている、内藤のメッセージキーホルダーに誓った。(愛知県みよし市/桂川洋一)

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