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“下を向くな” 安本大祐は池田勇太の言いつけ守り首位タイ

◇国内メジャー◇日本プロゴルフ選手権 2日目(5日)◇グランフィールズCC(静岡県)◇7219yd(パー71)

最終9番、安本大祐は“欲”をかいたと振り返る。「練習でもやったことがない(ハーフ)20台を出したいなって。ティショットがフェアウェイを捉えたもんだから、セカンドで固くなっちゃって」。2オーバーのターンから一転、折り返しの1番(パー5)でイーグルを奪い、そこからさらに4バーディを追加していた。

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ちらつく自己ベストへの思いも影響したのか、9番アイアンのセカンドをミス。2段グリーンの下の段、左奥のピンまで15mはあった。「寄るとも思っていないし、入るとも思ってないし…」。気持ちをフラットにして打ったバーディパットがカップに吸い込まれ、ハーフ「29」で通算7アンダー首位タイに浮上した。

振り返れば、この2日間はラッキーも少なくなかった。2時間半の中断を挟んだ初日、午後組の1番スタートで18ホールを完了できたのは、ちょうど安本の組まで。「最後はリーダーボードの光がありがたかったくらい。でも、暗すぎたおかげで、1m半くらいのパーパットでもあんまり気持ち悪さを感じずに打てた。なんか、外れてもしょうがないなと思って」。木に当たったボールがフェアウェイに出てきてくれたこともあった。

「すごく幸運でした、きのうも今日も」。物事をポジティブに考えるようになったこともある。1日(月)、池田勇太と食事に出掛けた。塚田陽亮時松隆光も含めてツアー会場で一緒に練習ラウンドを回るのが恒例になっており、特に東北福祉大の1年先輩でもある池田には合宿にも連れていってもらうなど、お世話になっている。

コロナ禍で遠征先でもホテルの部屋で食事を済ませることが多い中、2人でひざを突き合わせた。「運が逃げるから、下を向いてゴルフをするな。お客さんも見ていてイヤな気持ちにならないようなプレーをしなきゃ」。沈みがちなメンタルについて指摘された。

昨季は初シードに迫ったが、今季はここまで賞金ランキング92位。「重みというか、変えなきゃと思った。その“言いつけ”だけは守ろうと思って2日間やってきて、いい結果になっているんじゃないかな。(週末も)耐えていれば、思いがけないラッキーも来ると思う。下を向かず、リーダーボードも一切見ず、一打一打に集中してやりたい」と先輩への恩返しにもなる初優勝を誓った。(静岡県三島市/亀山泰宏)

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