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記録にない初代チャンピオン 関藤直熙の優勝からの2年間

◇国内男子◇ゴルフパートナーPRO-AM トーナメント 初日(19日)◇取手国際GC(茨城県)◇東コース6804yd、西コース6544yd(パー70)

大会ホームページの「歴代優勝者」には載っていない“初代チャンピオン”が、再起へのチャンスをつかみつつある。2020年、ツアー外競技として行われた本大会を制した関藤直熙が「66」という初日のスコアを見てほっと息をついた。

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2019年にはアジアの下部ツアー賞金王を獲った24歳。20年は、コロナの影響で「エキシビション大会」に変更になったこの大会で優勝を飾った。日本では、初めてQTから出場資格を獲得した20-21年シーズン。「思い描いていた以上の成績を出せていた」と臨んだが、優勝後は上位にほとんど顔を出さなくなった。

右のミスを気にしてスイングを変えたことをきっかけに「ダラダラと悪くなった」。余計に球がまっすぐ飛ばなくなり、飛距離も落ちる。20-21年シーズンは16試合に出場したが、予選通過は4試合のみ。レギュラーツアーの出場資格も失った。今年は試合を求めてシードが残るアジアを転戦。年明けから3月中旬まで海外を回ったが決勝にも進めず、前週の日本とアジアの共同主管大会「アジアパシフィックダイヤモンドカップ」も予選落ちに終わった。

転機が訪れたのは、本大会開幕1週間前。2歳下の弟から「どうやっても球が曲がるなら、成績が出ていたときのスイングに戻した方がいい」と勧められた。自分を追うように19年にプロ転向した弟は、一番身近で自分のゴルフを見てきたひとり。「やらないと、しばくよ」という弟なりのエールに押され、「変えてフィーリングが良くなり始めたときに、この大会の出場が決まった」。

1イーグル5バーディ、3ボギーの「66」。初日を60台で終えるのは、2020年のこの大会以来だ。「優勝から描いていた2年間とは全然違いましたけど、落ち込んではいません。応援してくれる人のために頑張りたい」と気持ちは強く持っている。

まずは昨年「パナソニックオープン」以来の予選通過、できればトップ10に入って「来週のミズノオープン出場も決めたい」と意気込む。「ちょっと目標としては低いかもしれないけど。弟も、きょうの成績を見て『俺のおかげ』って喜んでいるんじゃないかな」。広島で得意げに笑う弟の顔を想像しながら、思い出の地で復活を目指す。(茨城県つくばみらい市/谷口愛純)

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