2021年 ANAオープンゴルフトーナメント
期間:09/16〜09/19 場所:札幌GC輪厚コース(北海道)
マッスルバックは高校生以来 時松隆光「この記事で石川遼さんに『誕生日おめでとう』と」
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 初日(16日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063yd(パー72)
2打目をレイアップした最終9番(パー5)。時松隆光の球は見事にディボット跡に入っていた。「まじか…って感じでしたね」。だが、そこからの3打目をピン手前5ydのカラーに運んで、バーディパットをねじ込んだ。2017年、19年と過去2大会でプレーオフまで進んでいるが、この日も6アンダー「66」と好位置で滑り出した。
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決して、調子が良いわけではない。この日もスタートホールの10番はボギー発進。「おはよう“林の中”でした。最近ちょっと安定していないので…」と渋い表情の選手会長。振っていてどことなく違和感があるドライバーショットは「練習場では打てるのに、本番ではうまく打てないっていう典型的な言葉がぴったり」という悩みの種だ。「きょうはなんとか粘れたのかなと思います」
7月「日本プロ」から「Sansan KBCオーガスタ」まで3戦連続予選落ち。「7月、8月の2カ月は給料0円だったので、ちょっとひんやり冷や汗はかいています。(2週前の)フジサンケイで予選は通れたけど、55位で約27万円しか稼げずにちょっと財布が空き気味なので、今週から頑張りたいなと思っています」と苦笑いした。
過去3代の選手会長(池田勇太、宮里優作、石川遼)は、それぞれ会長の任期中に3勝、4勝、3勝と優勝を重ねているが、2020年に就任した時松にはまだ勝利がない。
「コロナ禍だし、選手会を言い訳にはしたくないけど、少なくとも練習量は減っている。僕はどうしても球を打たないと心が不安になる部分があるというか、ちょっとボロが出ているのかな」と貴重な経験はありがたいが、その難しさも否定できない事実となっている。
今週から、アイアンを新製品「ミズノプロ221」に変更した。「気分転換じゃないけど、しっくりこないところもあったので、切り替えられる状況だった」と、高校生以来というマッスルバックを使っている。
「普通のキャビティ系よりも顔が小さいのでボールが大きく見えるけど、逆にボールに集中できる。アバウトじゃなく、しっかり芯でとらえるイメージが良いような気がします」と、初ラウンドから好感触だったという。
やはり、輪厚との相性は良いのだろうか?「よく言われるので、自分の中ではそれがプレッシャーになるというか、ちょっと緊張しましたけど、やっぱり相性がいいのかもしれない。でも、4日間回っての結果なので、また石川(遼)さんの誕生日から切り替えて頑張りたいと思います」と、明日17日に30歳を迎える憧れのプロの名前を口にした。
「直接LINEするのは恥ずかしいので、みなさまのお力で、この記事で『誕生日おめでとう』とお伝え頂ければと思います」と頭を下げた。(北海道北広島市/今岡涼太)