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デッドヒートは18番まで 星野陸也が「バツでもすごい」チャン・キム振り切る

◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 最終日(25日)◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103yd(パー71)

谷を縫うようにレイアウトされたホール間を、気まぐれな強風が吹き抜ける。グリーンは硬く、風も読みにくい難コンディションを、星野陸也が3バーディ、1ボギーの「69」で回って、追いすがるチャン・キムに2打差をつけてツアー通算4勝目をマーク。2年前のこの大会でプレーオフ負けした雪辱を果たし、笑顔が弾けた。

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星野、キム、上井邦裕の3人が首位に並んで出た最終日、まずペースを握ったのはキムだった。前半に3バーディを奪って首位に立ち、ハーフターン時に星野とは2打差。前半に3つ落とした上井が脱落し、勝負はキムと星野のマッチレースの様相を呈してきた。

「後半に長いホールがある。3打差をつけられるとリラックスさせちゃうけど、2打差なら分からない」と星野も必死で食らいつく。10番(パー5)はともにバーディ。12番はともにボギー。

迎えた14番、ティショットを3Wでフェアウェイに置いた星野は、残り115ydから52度のウェッジで低く抑えてラインを出すショットで、ピン手前3mにつけてバーディを奪う。一方のキムはガードバンカーに捕まってボギーをたたき、通算14アンダーで再び2人が首位に並んだ。

勝負は残り3ホール。星野は16番で「薄いベント芝だったので、ダフりたくないと思って強く入った」という花道からのアプローチを8mオーバーさせたが、このパットをねじ込んでパーセーブ。「2、3年前なら、自分のミスで頭がいっぱいになっていたと思うけど、負けたくない、入れてやるぞっていう気持ちになった」と、2年前の悔しさが心を支えた。

逆にアプローチを2.5mに寄せたキムがパーパットを外してボギー。だが、キムは17番で驚異の粘りを見せる。350ydと距離の短いパー4で、星野は3Iで100ydを残す作戦。一方のキムは「バーディか、チップインイーグルを獲る最大のチャンスは何か考えた」と1Wを強振して、ピンまで残り40ydのフェアウェイに置いた。

この球を見た星野は「ピンは手前6ydだったし、左足下がりで絶対に寄せられないライ。練習ラウンドで『バツ』を付けていた」という選択だったが、キムは「スピンを掛けるのは得意。風が強かったので100ydを打つよりはチャンスがあると思った」と、チップインイーグルまで狙っていた。これを1.5mにピタリとつけてバーディを奪い、首位に並ぶ。星野も「やっぱり、すごくうまいと思った」と舌を巻く技だった。

だが、最終18番でキムは「低い球を打とうと思ったけど、最後の瞬間に高いショットにしようと思った。迷ったまま打ってしまった」と1Wショットを右にふかして林に打ち込み痛恨の紛失球でダブルボギー。星野は「チャン・キムのショットを見て、すぐに低い球を打とうと思った」と、想定済みという左バンカーに入れたものの、きっちりと2オンに成功してパーで72ホール目を締めくくった。

「いろんな球を使うのが好き。楽しくゴルフをするのが一番だと思う」という星野。今週は風の中で低く抑えたドローボールが武器となった。(神戸市北区/今岡涼太)

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