初優勝した当時を振り返りながら

飯島茜がプロになって特に意識したのは”ハングリーさ”だった。環境に甘えることなく、自分が欲しいモノのためにとにかく練習した。どの選手よりも賞金を稼ぐことをゴールにし、賞金女王を目標に定めた。自分に何が足りないのかを全て書き出し、それを貪欲に追求した。2006年にレギュラーツアーで初優勝後、2010年までは09年を除いて毎シーズン優勝を達成し、12年間シードを守った。「もう2度とQTは受けない。受ける場合は引退する」と自分を鼓舞し続けた結果だった。

リンクテキスト

ツアー会場ではほかの選手とは群れず、一匹狼の道を貫いた。練習ラウンドは一人黙々とコースのセッティングを観察し、コースマネジメントに集中した。安定感と諦めないプレーが自分の強みと認識。それを象徴する試合が15年「Tポイントレディス」だった。パターの名手・全美貞とのプレーオフは当時最長記録の1時間47分に及び、激闘の末に5シーズンぶりの勝利をつかみ取った。「長すぎてトイレに2回行った」と笑顔で振り返るが、ハングリーさを忘れず、絶対に諦めないスタイルが実を結んだ。