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2014年 マスターズ
期間:04/10〜04/13 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

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<堀江x三田村 8>もしもホリエモンがツアーを仕切ったら?

【三田村昌鳳(以下、三田村)】 堀江さんがもし男子のトーナメントディレクターをやるんだとしたら?

【堀江貴文(以下、堀江)】 もう海外を意識するしかないですよね。ほんとは日本ドメスティックでも出来るんですけど、ここまで来るとかなり厳しいでしょう。少なくとも、僕は試合数をめちゃくちゃ増やしますね。ちっちゃい試合でも。

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【三田村】 手立てはありますか?

【堀江】 こないだマーク金井さんとかと話したのは、どうせツアーの無い週が多いんだから、オフィシャル認定したミニツアーをやっちゃえばいいと思うんです。彼が言うには、丸一日ゴルフ場を貸し切らないで、ギャラリーを入れないことも視野に入れて試合をやろうと。つまりテレビ中継もナシ、ギャラリーもナシ、貸し切りじゃなく1日で終わる。インターネットで全試合中継するようなことも含めてもっと開催すればいい。9ホールで終わるとかにすれば、週に2回やってもいい。

【三田村】 うんうん。

【堀江】 テレビ局に(中継の)権利料を払っているじゃないですか。あれも結構負担になっていて。今はインターネットの時代なので、トラックマンみたいなシステムで弾道計測をして、それを中継画像にスーパーインポーズするシステムもあるので、かなりコンパクトな試合を作れると思うんです。

【三田村】 僕は20年前にコラムで書いたんですけど、「1県1トーナメント」って必要だと思うんですよ。いわゆるトーナメントのフランチャイズ制。賞金総額5,000万円くらいでアマチュアを入れて、ジュニアも入れて。ただし、アマチュア/ジュニアはその県に住民票がないと出られない。そうすると、その県のゴルフの底上げになるんじゃないかと。「1県1トーナメント」をやったらほぼほぼ毎週なわけですよ。

【堀江】 それで参加料をとればいい。

【三田村】 もちろん。その県のトーナメントにとっては1年間でアマチュア予選会を出来るわけですよ。そうすると1年間ゴルフ場に客が来る。毎年、何カ所かで予選会の開催コースをずらしていけば、その県全体のコースが潤うわけですよ。

【堀江】 それはいいですね。

【三田村】 このご時世、ゴルフ場利用税を0にしろって言っても、100はゼロにはならないですよ。だったら譲歩して、半分をその県のゴルフのために使う特別税にしてくれって。そのお金でジュニア振興とかトーナメントをやってくれって言った方が可能性あるんじゃないかなって。

【堀江】 アマチュアが参加できる状況を作るのはひとつの手ですよね。

【三田村】 たとえば、松山(英樹)がジュニア時代にあちこち行って全部勝っちゃうじゃやっぱり面白くない。やっぱりその県に住民票があるっていうことが参加条件で。

【堀江】 いいっすね。

【三田村】 それでトーナメントをやったら54週じゃたりないですよ。そういうことをなんでやらないのかなと思っていて。

【堀江】 1日でも2日でも充分ですよね。しかもそこで僕はプロアマをやりたいんです。プロアマは参加料をとっていい。彼らがギャラリー代わりというか。それなりに参加費を払ってでも来たいと思う人はいると思うんです。今のプロアマってスポンサーのお客さん向けの接待になっている。

【三田村】 地域社会とあまり関係が無い。

【堀江】 そうそうそう。地域社会とも関係ないし、その人がゴルフファンかというのも関係が無い。だから、地元の人から参加者を募ってやる。田舎の人たちにとってみればプロ選手とまわる機会がなかなかないから、それも(米国ツアーの)ペブルビーチプロアマみたいにトーナメントの一部にしちゃえばいいと思う。

【三田村】 いいですね。地区ごとの決勝があって、全国のピラミッドみたいにして、そこで優勝したら海外のなんとかに出られるみたいなのがあったら、もっと面白いですよね。

【堀江】 プロゴルファーが来るでっかいコンペみたいな。1着賞金50万とか30万くらいでね。

【三田村】 今は来るんじゃないかな。お金はみんながバーと出し合うってところからスタートしてもおかしくない。

【堀江】 全然、集まると思いますよ。プロアマをやる前提でやると、クラウドファンディングってやり方があるんで、500万とかは全然(集まる)。それでゴルフ場をクローズしないでやる。

【三田村】 クローズすると借り賃とかあるからね。それにギャラリーが多くなると、トイレとか駐車場とか・・・。

【堀江】 ギャラリーじゃなくてプロアマでいいんですよ。あなたたちギャラリーじゃなくて参加者だからって。

【三田村】 なるほどね。

【堀江】 あとはアマチュア向けに参加費を取って予選会をやって、その人たちも参加するみたいな感じにするといいのかなって。

【三田村】 そう考えると、基本的には素朴なトーナメントを増やして盛り上げ、あちこちでやって基礎をつけて、その次、その次って階段を作っていく感じですか?

【堀江】 それがひとつと、あとはやっぱりグローバルに注目されるトーナメントを作っていく必要があるから、そういう試合を増やしていくってことになるんですかね。女子ツアーのやり方ってのは参考になると思いますよ。選手に対してホスピタリティの研修を受けさせなきゃいけないと思うし、女子プロゴルファーはその辺ほんとにちゃんとしてますよね。

【三田村】 うまいよね。

【堀江】 ほんとにちゃんとしていますよね。

【三田村】 日本の某男子プロがプロアマに出て、終わった後のパーティで「あんたゴルファーとしては一流かもしれないけど、人間としては失格だね」って言われたって・・・。

【堀江】 そこですよね。そこが出来るかどうかってとこじゃないですか。

【三田村】 なんで男子はそれが出来ないのかなって思うわけ。ナショナルチームでジュニアから同じ風に育てていって、女子はしっかり育つ。男子はごく一部。態度もさっきの話(編注*堀江連載7)じゃないけど、どうなったの?ってなっちゃう。

【堀江】 やっぱりチヤホヤされて増長するんでしょうね。僕たちアマチュアにも原因がある。お金を持ってゴルフがうまい社長さんとかが結構多いじゃないですか。彼らが連れ回すんで、勘違いしちゃうんでしょうね。

【三田村】 賞金も1億円くらい稼げると大喜びして人格が変わっちゃうみたいなね。でもタイガー・ウッズなんかは何百億も稼いでいてね。その辺の志が小さいのかなって。

(第9回につづく)

堀江貴文
1972年福岡県八女市生まれ。東京大学在学中の96年に有限会社オン・ザ・エッヂを設立。エッジ、ライブドアと社名を変え、プロ野球球団やニッポン放送買収で世間の注目を集める。05年には衆議院の総選挙にも立候補したが、翌年に証券取引法違反で逮捕され、11年6月に収監。刑期を終えた現在はSNS株式会社のファウンダー兼従業員として活動を行っている。愛称はホリエモン。

三田村昌鳳
1949年神奈川県逗子市生まれ。立正大学卒業後、週刊アサヒゴルフ副編集長を経て、77年に独立して株式会社S&Aプランニングを設立。ゴルフジャーナリストとして73年から世界のメジャーを追い続けている。95年には米国でスポーツライター・ホール・オブ・フェイムを受賞。96年の第1回ジョニーウォーカー・ゴルフジャーナリスト賞最優秀記事賞を受賞。著書に「タイガー・ウッズ伝説の序章」「伝説創生」など多数。

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