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独特の世界観で価値を創出「パーツ大試打会」
2013/10/18 16:27
ここ数年で、いわゆる「地クラブ」といわれる工房職人の手を介して製作されるカスタムクラブの需要が高まっている。量産品では飽き足らなくなった「ギアマニア」のツボを捉える、製販一体型の丁寧なモノ作りがニーズを押し上げる背景といえるだろう。
そんなトレンドを反映するイベントが10月12日、千葉市内の練習場「ジャパンゴルフスクール」で開催された。主催したのは同練習場内に工房を構える「ゴルフショップマジック」の鹿又芳典代表。カリスマフィッターとしてゴルフメディアなどでの露出も高く、ご存知のムキも多いはず。
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この試打会は過去2年、春と秋の需要期に1回ずつ開催して今回で5回目。回を重ねるごとに参加企業が増え、今秋はヘッド・シャフト・グリップメーカー25社に加えて、アパレルメーカー3社も協賛、計28社が顔を揃えた。大手メーカーが猛威を奮うクラブ市場にあって、もうひとつの地道なマーケットが台頭している。
イベントの開催経緯について、鹿又氏は次のように語った。
「パーツメーカーの認知度が向上したこともあって、ウェブ先行でいろんなモデルが話題になっていますが、この傾向は正直危険です。やはり実際手に取って試したほうが商品をよりよく理解できますし、打ってみた結果によってはさらにクラブへの興味が湧いてくる。そんな好循環を作るためメーカーさんに協力してもらいました」
ネットの口コミは、今や商品購入の一つの目安になっている。これを否定するつもりはないが、カスタムクラブは、様々なパーツの組み合わせによって最適なモデルを個人に提供するもの。ヘッドが同じでもシャフトが違えば全くの別物にもなるし、打ち手が異なればその印象も変わってくる。そういった性質を持つだけに、やはり実際に打ってみて判断してほしいというのは、至極当然のことだ。
そんなベテランカリスマフィッターの思いが伝わったのか、会場には遠方から来たというゴルファーが、精力的に様々なクラブを試打する姿も目立った。イベントに参加したさるメーカーのスタッフの話。
「これだけのパーツメーカーが集まるイベントはありませんから、本当にいい機会だと思います。ただ、こうやって見ても分かる通り、競争相手は多いですね。決して大きいマーケットではないので、本当の勝負はこれから。いいモノを提供できるようにさらに開発へ力を注ぎたいという気持ちが強くなりました」
メーカーのモチベーションにも火をつけたイベントになったが、
「ドライバーなら1本10万円を超える高額品を扱っているので、工房は本当にいいパーツが欲しい。ほとんどのメーカーは年に1回のサイクルで新たなアイテムを市場へ投入しますが、この市場ではあまりサイクルを気にする必要はありません。ハイブリッドやフェアウェイウッドの中には、本当にいいモノなら発売後3~4年を経ても新規購入するお客さんはいます。メーカーさんには、工房が自信を持ってゴルファーに推奨できる商品を、サイクルを気にせず作ってほしいと思っています」
とは、鹿又氏。メーカーと職人の日々の研鑽が商品価値として評価される市場だけに、両者の世界観の共有が市場活性化のキーワードといえそうだ。