ボーケイウエッジ、世界を制す
改めて、ゴルフというスポーツの厳しさを思い知らされた。先頃閉幕した今季メジャー第2戦の全米オープンは、過酷なコースコンディションとメジャータイトルの重みが相まって近年稀に見る死闘だったが、それを手中に収めたのが26歳の若手、ウェブ・シンプソン選手だった。
ツアー3勝目がメジャータイトルという強運の持ち主だが、それ以上に強く印象に残ったのが、タフな精神力。象徴的だったのが、18番ホールグリーン右サイドからのアプローチショットだ。深いラフに極端な下り傾斜という難しい状況から1メートルに寄せてパーを死守したアプローチに、シンプソンの心意気を見た。その難局で手にしたのが、長年信頼を寄せている『タイトリスト・VOKEY WEDGE(ボーケイウエッジ)』だった。
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シンプソンはアマチュア時代から将来を嘱望された選手。プロ転向時に数多くのメーカーから使用契約の話はあったようだが、彼が選んだのは長年信頼を寄せていたタイトリスト。自ら総合契約を申し出たほど惚れ込んでいたという。
世界を制したウエッジは、日本でも破竹の快進撃だ。日本男子ツアーでは、現時点で『ボーケイウエッジ』の使用者が、7戦5勝という活躍を見せている。
『ボーケイウエッジ』で特筆されるのが、使用選手の好みに合わせられるバリエーションの多さだ。「つるやオープン」と「ダイヤモンドカップ」を制した藤田寛之選手は、「ボーケイ・フォージド」、「日本プロゴルフ選手権」に勝った谷口徹選手は、「スピンミルド4」を愛用するなど、個々の選手の打ち方やスピンの掛け方によって、最適なモデルが選択できるのが『ボーケイ』のよさでもある。
このバリエーションの多さは、プロだけではなくアマチュアゴルファーのプレーにもいい影響を与えているという。タイトリスト製品を中心に扱い、『ボーケイウエッジ』を月間60本販売するという「ザ・ゴルファーズクラブ二子玉川店」の山本洋之店長は、「確実にユーザーが選べるバリエーションが増えている」と前置きして、次のように続ける。
「『ボーケイ』は日米モデルを合わせると6種類から自分に合った1本が確実に選べるので、お客様からは喜ばれています。それと、通常はアイアンセットに組み込まれているピッチングウエッジを外して『ボーケイ』の46、48度あたりをウエッジの流れとして使うゴルファーも増えてきていますよ」
ピッチングウエッジもウエッジのカテゴリーと捉え、スコアアップを期すゴルファーが急増中とのこと。自分の打ち方や好みのスピンを選べるウエッジバリエーションが今後も広がれば、このトレンドは確実に定着していくかもしれない。
なお、ウェブ・シンプソン選手の使用ギアは、以下の通り。
●ボール:プロV1●ドライバー:909D3(10.5度)●フェアウェイウッド:910F(13.5度、17度)●ユーティリティ:910H(21度)●アイアン:680(4-P)●ウエッジ:ボーケイ(54、58度)