<前週>屈辱の4ダボ 石川遼はブービー発進に弱気の言葉
2016年 ウェイストマネジメント フェニックスオープン
期間:02/04〜02/07 場所:TPCスコッツデール(アリゾナ州)
「僕はお酒のつまみ」 石川遼が人々のメジャーでふるまう味
一週間で56万4368人。これが、昨年行われた米国男子ツアー「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」を訪れた観客の総数だ。大会最終日は毎年、アメリカンフットボールの優勝決定戦“スーパーボール”と重なるため、土曜日の来場者数が最も多い。昨年は1日で16万人近くがTPCスコッツデールに足を運んだ。
今では、パー3の16番を取り囲むスタンドだけで、軽く1万5千人を収容する。運営側は「訪れる人の楽しさと、選手への尊敬のバランスが大事」と言う。1997年にタイガー・ウッズがこのホールでホールインワンを決めたことで、翌年からスタンドが増設されたという逸話も残っている。
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今年で4度目の出場となる石川遼は言う。「最初はグリーンに乗らなくてブーイングされたりして、それに過剰に反応していたけど、みんな本気で言っているのかと思ったら全然そんなことはない。だから、今ではピンを攻めていってグリーンに乗らなかったら、もっとブーイングしろみたいな感じでやってみようかなと思っている」。
プロゴルファーにとってはファンが一番大切なもの。石川はこのホールに来ると、不思議な感覚になるという。「自分みたいにPGAツアーでそこまで認知度が高くない選手でも、みんな楽しむ材料として、お酒のつまみとして見てくれている。応援じゃないですよね(笑)。ファンに楽しんでもらうのがプロゴルファーの一番大切なことだと思うし、アメリカのゴルフが象徴されていてすごく楽しい」。
ちょっぴり謙遜しながら石川は付け加えた。「技術というか、美味しさで納得してもらうよりは、僕はちょっとしたスパイスで印象に残るようなつまみになりたい。あまりおいしくないけど、印象に残るなぁって(笑)」。
「People’s Major (= 人々のメジャー)」と呼ばれる今大会。多くのファンとの一体感を味わえるのは、プロゴルファー冥利に尽きるはず。そんなファンと選手との相乗効果が、この大会を年々大きくさせる要因なのだ。(アリゾナ州フェニックス/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka