マイケル・トンプソン、逃げ切ってツアー初優勝
2013年 ザ・ホンダクラシック
期間:02/28〜03/03 場所:PGAナショナルGC(フロリダ州)
マイケル・トンプソン「僕はリッキーでもタイガーでもない」
今週はマイケル・トンプソンのプレーを実にたくさん見る機会に恵まれた。というもの、予選2日間は石川遼と同組となり、最終的にはツアー初優勝を飾るという快挙まで成し遂げたからだ。
しかし、パターはめちゃくちゃ入っているなと思ったが、言葉は悪いがなんとも地味な印象しか受けなかった。
<< 下に続く >>
トンプソンはこう話す。「みんな、注目選手を見に来たがる。エキサイティングなプレーをしたり、派手な服を着るような選手を。自分はいつも自分のゲームについてというか、生きるモットーとして、“ゴルフクラブに語らせよう”と心がけている。もしクラブが良いことを語るなら、自分にとっても良いことが起きると思っているから」。
アラバマ大出身のトンプソンは、今でも同大学のゴルフ部に顔を出すという。昨年の全米オープンで2位に入り、今週もタフなコンディションで初優勝。その秘訣を問われると、昔話を引き合いに出した。
「数週間前にアラバマゴルフチームと一緒に練習をしに行ったんだけど、コーチがこう言うんだ。僕がアラバマに居た頃、ちょうど2年前だけど、僕はチームの誰よりもフェアウェイキープが少なくて、誰よりもパーオンしないけど、誰よりも多くのバーディを獲っていた、と。これこそまさに僕がどういう人間かという例だね」。
大学で会計学を専攻していたトンプソンは、数字が得意。慎重なコースマネジメントを積み重ねていくことが、自分の性に合っていると自認している。そして、自分のスタイルを何よりも大事にしている。
「(優勝したことで)これから、メディアや、ファンにもう少し注目されるようになると思う。だからそれに慣れていかないと。僕はリッキー・ファウラーでも、タイガー・ウッズでもない。良いことだと思うけど、そんなに多くのギャラリーを引き連れたこともない。僕はどちらかというとコソコソしているというか、自分のゲームに集中して、一週間が終わってリーダーズボードの一番上にいたらいいというタイプ。それは変わらない。僕は目を引くような選手じゃないし、ドラマチックでもなんでもない。淡々とパーを重ねて、大きなミスを無くし、いくつかのバーディチャンスを決める。もしそれを続けることが出来たら、偉大なキャリアが残せると思う」。
ここまで自己を確立しているからこそ、タフなコンディションとタフなフィールドを前にしても、きっちりとリードを守って優勝できるのだろう。“自分らしさ”の大切さを再認識させられたトンプソンの勝利だった。(米国フロリダ州/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka