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プレーだけじゃない PGAツアーの魅力を感じた4日間

◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 最終日(16日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70)

2年ぶりにPGAツアーと日本ゴルフツアー機構(JGTO)の共催で行われた「ZOZOチャンピオンシップ」。第4回大会の今年は、リッキー・ファウラーと最後まで激しい優勝争いを繰り広げたキーガン・ブラッドリーが4年ぶりの復活優勝を遂げて幕を下ろした。

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PGAツアーの日本初開催となった2019年の第1回大会は、タイガー・ウッズサム・スニードの持つツアー最多勝に並ぶ通算82勝目というメモリアルな記録を作った。コロナ禍による渡航制限の影響もあり、米国本土での開催を余儀なくされた20年はパトリック・カントレーが優勝。21年は一日当たりの入場者数を5000人に制限して再び日本で開催され、松山英樹が母国でツアー7勝目を挙げ、日本中のゴルフファンを熱狂の渦に巻いた。

ワールドクラスのプレーを見ようと、今年は大会4日間で計3万2229人のギャラリーが習志野に詰めかけ、最終日の入場者数は1万186人を記録した。2020年以降はコロナ禍による大会の中止や人数制限が続いた影響もあったが、日本国内で行われた男女のゴルフトーナメントで一日当たりの入場者が1万人を超えたのは19年の「ZOZO」以来、実に3年ぶりとなった。

しかし、ファンがPGAツアーに夢中になるのは、プレーだけが理由ではない。

最終組に付いて取材をしていると、多くのギャラリーからの「GO リッキー!!」という声に笑顔で応えるファウラーの姿があった。ブラッドリーに競り負けたホールアウト後も、悔しさを押し殺し、取材エリアの近くに並んでいた子どもたちに時間の許す限りサインを書き続けた。

長髪がトレードマークのトミー・フリートウッド(イングランド)も老若男女を問わず大人気だ。ラウンド中は「トミー!」という声援に笑顔で手を振り、プレー後は列を成すファン全員と交流していた。

もちろん、松山も例外ではない。「あれだけ悪いゴルフをしても声援をくれたのでうれしかった」と言い、目を輝かせる母国のファンたちに感謝の気持ちを込めてペンを走らせ続けた。一人ひとりの顔を見ながら、サインを書いたグッズを渡していたのが何よりも印象的だった。

優勝したブラッドリーは「日本のファンはどんなときもあたたかい。世界でもこのコースはトップレベルだと思うし、この場所で優勝できたことを誇りに思う」と、最後まで声援を送ったギャラリーへの感謝を述べた。ツアー7勝で、東京五輪金メダリストのザンダー・シャウフェレも「日本のファンは本当に素晴らしい。僕だけじゃなくて、選手はみんな感じていること。日本はゴルフ愛が深く、ファンの熱気が選手にも伝わってくる」と語った。

現在、国内ツアーでは、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、サインや物を渡すといったファンと選手の接触は固く禁じられている。これまで取材を行った大会でも、サインをもらえずに残念そうな表情を浮かべるファンを何人も見てきた。

「ZOZO」の運営サイドも、サインを求めたりプレゼントを渡したりすることを控えるよう、スタッフを配置して常に注意を呼びかけていた。それでも、ホールアウトした選手たちはそれが「当たり前」と言わんばかりに、ファンの元へと自ら足を運んで熱心にサービスを行った。また、国内ツアーでは許されていない一部エリアでの写真撮影と18ホール全てで動画撮影が今年は許可され、多くのギャラリーがスマートフォンを手に戦いを見守った。記憶にも、そして記録にも残る大会となっただろう。

PGAツアーのミッションとして、HPにはこんな一文が記載されている。「By showcasing golf's greatest players, we engage, inspire and positively impact our fans, partners and communities worldwide.(偉大なゴルファーたちを紹介することで、私たちは世界中のファン、パートナー、コミュニティーと関わり、刺激を与え、ポジティブな影響を与えます)」

ツアーはファンによって支えられている。誰よりもそのことを理解しているのは、“偉大”な選手たち自身なのかもしれない。そう感じた4日間だった。(千葉県印西市/内山孝志朗)

内山孝志朗(うちやまこうしろう) プロフィール

1995年、東京都生まれ。2018年に新卒でGDOに入社し、CS、ゴルフ場予約事業、練習場事業を経て編集部へ。学生時代は某男子プロゴルファーの試合を見るためだけに海外に行き、観光せずにゴルフ場とホテル間をひたすら往復していた。訪れた町を散策することが出張時の楽しみ。

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