2026年 ISPS Handa スコットランド女子オープン

コロナ禍で取り戻した「情熱」と10年ぶり復活V 米女子ツアーのブランク優勝記録は?

2026年 ISPS Handa スコットランド女子オープン 4日目 ジェニー・シン
涙あふれる復活優勝となった

◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 最終日(26日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6538yd(パー72)

ジェニー・シン(韓国)は10年前の初優勝を振り返って「当時は本当に『勝った』という実感がなかった。自分にその資格があると思えなかったんです」と明かす。それ以来の2勝目を手にして、少しだけ誇らしげに言う。「今回は間違いなく全然違う。自分の力で勝ち取った実感がある。4年前にパッティングコーチとタッグを組む時に『引退するまでに優勝したい』と目標を伝えた。4年間、この優勝を切望してきたから本当にうれしい」

2026年 ISPS Handa スコットランド女子オープン  最終日 ジェニー・シン
この道のりも平たんではなかった

5打のリードを持って出た最終日の道のりも平たんではなかった。6番(パー3)から3連続ボギーが先行。同じ最終組のパジャレー・アナナルカルン(タイ)に2打差まで迫られた。9番も2打目でグリーンを外して「泣きそうになったわ」。それでも、2.5mほどのシビアなパーパットをねじ込んで耐えた。スローペースに警告が入り、時間をかけずに打つしかないと腹をくくれたという。こぶしを握った10番のバーディで完全に勢いを取り戻し、後続を振り切って今度は本当に涙があふれた。

2026年 ISPS Handa スコットランド女子オープン 4日目 ジェニー・シン
コロナ禍にゴルフへの情熱を取り戻した

2011年に下部からの昇格で参戦した米ツアーは16年目になる。「8年目から12年目くらいが本当に苦しかった。目標を見失い、モチベーションも上がらない。(年齢的な)全盛期の多くの時間を自分探しに費やしてしまった」。転機はコロナ禍だった。試合がなくなり、「“無職”になったことで、プロゴルファーとして活動していない生活がどんなものか、ある意味で実感できた」。練習でクラブを握ることは欠かさなくても、その成果を発揮する舞台がない。空虚な日々はゴルフへの情熱を取り戻すきっかけになった。

2026年 ISPS Handa スコットランド女子オープン 4日目 ジェニー・シン
最高だね!

2016年の「ボランティア・オブ・アメリカ テキサスLPGAシュートアウト」から10年2カ月25日ぶりの優勝。直近では1996年にヴィッキー・ファーゴンが12年3カ月6日ぶりの優勝を果たして以来となる10年超のブランクVだった。「競い合うことが好き。追われるのは嫌いだけど、アドレナリンが出るような瞬間は大好き。“ジャンキー”なんだと思う。パジャレーがバーディを連発する横で私はボギーをたたいていて、すぐ隣に彼女の息遣いを感じたの。あれは楽しかった」。再び火がついた情熱は、そう簡単には冷めそうにない。(スコットランド・ゲイレス/亀山泰宏)

<ブランク優勝記録>
・米女子ツアー
14年11カ月20日/デイル・エッゲリング
13年5カ月13日/シェリー・ハムリン

・PGAツアー(米男子ツアー)
15年6カ月/ロバート・ガメス

・国内女子ツアー
11年189日/金田久美子※ツアー制施行後

・国内女子下部ステップアップツアー
17年267日/宅島美香

・国内男子ツアー
13年82日/長谷川勝治

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亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール

1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。

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