2025年 シェブロン選手権

西郷真央の強さの源「いつも通り」 その時、マネジャーは18番に戻った

西郷真央
新井里茄マネジャー(左)は西郷真央と歓喜の瞬間を味わった

◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 最終日(27日)◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)

西郷真央と女性マネジャーのあいだには試合中の約束事がある。ティショットの際、第2打地点でボールの着地を目で追うこと。米国の女子ツアーは普段、ギャラリーが日本の女子ツアーや、PGAツアーと比べると圧倒的に少ない。そのため、大きく曲げた場合にボールが見つからず紛失球になる恐れがあるからだ。

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72ホールを終えて通算7アンダーの首位で並んだ、メジャー史上最多5人のプレーオフ。ロープサイドを来場者が埋め尽くしても、新井里茄(りか)マネジャーは「ゲン担ぎで」と、18番(パー5)の第1打のランディングエリアに戻った。西郷自身がこれまで、ずっと事前準備と日々のルーティンを大切にしてきたことを知るからだ。

通訳も務める新井マネジャーが、本格的にサポートメンバーに加わったのは今年の初め。もともとは、日本の下部ツアーや中国ツアーで戦った経験のある現役のプロゴルファーだった。米国にはマイアミ大時代を含めて約10年間のゴルフ留学の経験がある。

プロツアーを中心とした生活に見切りをつけ、都内でレッスンスタジオを経営していたところ、知人を介してマネジャーの仕事を紹介されたのが昨年のこと。「やるからには“この日”を目指してやろうと思っていましたけど、こんなに早く来るとは思っていなかった。ビックリです。ゴルファーとして、LPGAのツアーに携われるだけでうれしいのに、メジャーチャンピオンになってくれるなんて」とメジャーでの米ツアー初優勝を驚き、喜んだ。

転戦中、西郷は毎晩チームメンバーに翌日のスケジュールをメッセージにして送る。受け取る側は、記されたウォームアップからティオフまでのタイムラインに沿って行動。「コースに到着したら時間通り、いつも通り。(彼女は)本当にゴルフをやるために生まれてきたと言っても過言ではない。そのくらいゴルフのことをいつも考えている」。その日常はきょうまで続いた。小さいことの積み重ね、繰り返しがあってこそ願いがかなうと信じて。

次週の「ブラックデザート選手権」(ユタ州ブラックデザートリゾート)、翌週「みずほアメリカズ・オープン」(ニュージャージー州リバティーナショナルGC)にも出場を予定。メジャーチャンピオンになっても、西郷にとってシーズンの月曜日は移動とジムの日だ。「きょうはしっかり休んで、あしたは“いつも通り”。月曜日はウエートトレーニングをするのがルーティン。自分の体を良い状態にキープするためにも、やらなきゃいけないことはしっかり続けていきたい」。目標の世界一にはまだ届いていない。(テキサス州ザ・ウッドランズ/桂川洋一)

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桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw
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