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すべては五輪のために 渡邉彩香の覚悟といばらの道

「ゴルフ人生最大の賭け」。国内ツアー3勝の渡邉彩香はそう言った。来季の米国ツアー出場権をかけて、15日(月)からの二次予選会(フロリダ州プランテーションG&CC)のために渡米する。

渡邉は「アメリカでやりたいとは思っていなかった」と正直な気持ちを吐露する。それでも挑戦するのは、2020年東京五輪の舞台に立ちたいからだ。

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東京五輪のゴルフ日本代表は、自国の世界ランキング上位2人に絞られる可能性が高い。渡邉の世界ランクは現在(10月8日時点)191位におり、14位の畑岡奈紗、26位の鈴木愛の背中は遠い。「こんな状態で、本当に難しい挑戦ということは分かっている。ただ、世界ランクを上げるにはアメリカしかない」と、背水の陣で付与ポイントが高い米ツアーへ挑む。

これにより賞金ランク48位にいる国内ツアーの今季出場は現時点で「伊藤園レディス」と「大王製紙エリエールレディス」だけの予定になり、シード落ちも覚悟した上での渡米となる。

五輪への思いは、埼玉栄高校に在学していた2009年に芽生えた。同年に、ゴルフが112年ぶりに五輪種目に復活すると決まった。部活動の盛んな高校でスポーツ推薦のクラス。多くの友達が五輪出場の夢を語り合っていた。「私は関係ないと思っていた。ただ、急に復活するってなって…」

当時からプロになる意識はあったが、海外志向はなかった。「でもオリンピックは、スーッと目指そうと思えた。みんなが知っている舞台だから。これを私のゴルフ人生の夢にしよう。そのために頑張ろうと思えた」

2016年「リオデジャネイロ五輪」の出場は、あと一歩で逃した。日本勢の世界ランク3番手で出場した、五輪直前の「全米女子オープン」最終日最終ホール(パー5)。3打目を池に入れるダブルボギーで38位に終わり、日本人上位2人に入れず涙を流した。パーなら圏内に滑り込む可能性があった。

2015年以降ツアー優勝はなく、長いスランプから脱していない。「どうにかしなきゃと思ってはいるけど、国内で3勝して、なかなか煮え切らない部分もあるのかもしれない」という。

仮に米国の出場権を得たとしても、現状のままでは厳しい戦いになると思える。それでも渡邉は言う。「オリンピックに出て活躍することは夢だから。そのためにゴルフをやってきた。挑戦せずに終わるのは嫌だ」(静岡県裾野市/林洋平)

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