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鈴木愛 “女王のゴルフ”を支える心の強さ

◇国内女子◇ほけんの窓口レディース 最終日(13日)◇福岡CC和白コース(福岡)◇6292ヤード(パー72)

首位に並んでひと足先にホールアウトしていたアン・ソンジュ(韓国)は、最終組のプレーをテレビモニターで眺めながら、「もう1つ伸ばしていればワンチャンスあったかな」と思っていた。最終18番(パー5)で、鈴木愛がきっちりとバーディを奪って1打差で優勝。「さすがの愛ちゃん」と達観したようにうなずいた。

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過去3度の賞金女王は「愛ちゃんよりうまければ勝てるかもしれないけど、同じくらいなら勝てない。技術的なものは同じでも、心を強く、自信を持って、安心したプレーをしている。それを超えるには、もっと心を強くするしかない。それしか勝てない」と感じている。「自信を持って打たないと結果が出ないというのは、愛ちゃんを見ながら分かってきている」とまで言わしめるオーラを、いまの鈴木は放っている。

■トップ3を逃したのは1回だけ

今季8試合に出場して優勝3回。それだけでなく、トップ3が7回で、残り1回も20位という成績。今季は、プレーをすれば常に優勝争いにからんでいる。

母・美江さんは「賞金女王になって注目があるから、成績が悪いといけないという自覚はあると思う」と、24歳になったばかりの娘の変化を感じている。惜敗が続き、今週は通常より1日早い火曜日から、雨の中を練習ラウンドに出ていった。「普段の生活は、ぜんぜん変わらないんですけどね(笑)」。

想定して、準備して、挑戦する。それを繰り返しやってきた。シーズンオフはパーオン率が低いことを自覚して、「ショートゲームが良くないとスコアを作れない」と重点的に取り組んだ。今週はバンカーからを含めて4度、グリーン外から直接カップに放り込んだ。

■1mのパット練習を繰り返す

決勝前日は、1mほどのショートパットを繰り返し練習した。「去年までは2m(のパット練習)をやっていたけど、きのう(2日目)外したのもあったし、パンパン奥の壁に当てるように練習した。最後はその1打が決め手になったので良かったです」とにっこり。「みなさん、あれくらい入るだろうって思うかもしれないけど、緊張している場面だとすごく長く感じるんです!」

賞金女王として、申し分ないプレーを続けているが、本人は「パター以外は去年より良くなっているけど、決めきれないのが問題」と分析する。「サイバーも、サロンパスも、私らしいパットができなかったのが、自分の弱さ」。思い描くのは6年連続賞金女王になった不動裕理や、勝負どころのパットを凄まじい集中力で沈めてくる大山志保のような“勝負強い”賞金女王。「毎週、毎週だし、どうしても疲れてくるけど、そんな中でも成績を残せるような1打に対する集中力。そこに結果もプラスしないといけない」と理想像を描いている。国内ツアーの年間最多勝は、不動が2003年に記録した10勝だ。

■「全米女子」会場は下見済み

海外に目を向ければ、3週間後には「全米女子オープン」が控えている。今季の海外初メジャー「ANAインスピレーション」の前週、鈴木は舞台となるショールクリークCCを訪れた。「グリーンの縦幅が狭くて硬い。距離もある。だから、やっぱりショートゲームを練習しないと…」。頭の中ではもう世界の強豪たちと戦っている。日本の若き賞金女王の挑戦に、いまからワクワク感が止まらない。(福岡県福岡市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

2018年 ほけんの窓口レディース



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