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国内女子ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメントの最新ゴルフニュースをお届け

不動裕理「ゴルファーだから、できること」

「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」を取材するにあたって、僕は毎年コースから車で数分のところにある親戚宅に泊まらせてもらっている。その家にも震災の影響は少なからずあった。津波や家が倒壊するような規模ではなかったが、電気・ガス・水道というライフラインが止まり、物資が不足し、今日は2時間並んで飲料水を20リットルもらい、次の日は入場するのにまた数時間ならんで食料を買う。そんな「(日曜日に市場へ出掛け~という)一週間の歌のような生活だった」と叔母は言った。

オープンする予定も無いのにガソリンスタンドには長蛇の列ができ、何時間も待ったあげく今日は開かないと分かると、文句も言わずに帰る辛抱強い東北の人々。「お店が開いているだけで、ありがたいと思った」と、わずかな人の優しさが心に染みたという。

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今大会に4年ぶりに出場した不動裕理は、震災後初開催となった「心をひとつに 西陣レディスクラシック」に優勝し、直後に今大会からお祝いの花束を受け取った。そして、今年はぜひ仙台に来てほしい、大会に出場してほしいという懇望に、即座に出場を決めたという。

最終日、首位でスタートしながらも猛追するフォン・シャンシャンに逆転されて迎えた最終18番(パー5)。レイアップした不動の3打目はピンまで残り50ヤード。直接入れればプレーオフというショットを、どれだけの人たちが「入れ!」と念じていたことだろう。18番グリーンを取り囲んだ大ギャラリー、それにテレビを通して観戦する人々。ピンに向かって飛んでいった球は、手前数十センチに落ちるとカップをかすめて1m弱に止まった。歓声と落胆、そして拍手――。

「今年はずっとイーグルを獲っていないし、あんまりそういう(入れる)ことは考えてなかったです。でも、最後の1打で沸いてもらったのはうれしいですね」。前日、結果は関係ないと話していた不動。「私の調子の中では精いっぱいやれました」と、敗れた悔しさは聞かれなかった。

通算50回もの勝利を重ねてきた選手が、“ここ一番”と思うのはどんな時なのだろう?「今年はこここそ、出る場所じゃないかと思う」。そんな心のこもったプレーを眼前で見ることのできた宮城のギャラリーたちは、お金や言葉以上の温かい何かを受け取ったに違いない。(宮城県利府町/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

2011年 ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント



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