有村智恵、今こそ実感する“試合のあるありがたみ”
日本を襲う未曽有の災害を前に、ゴルフトーナメントの中止が相次いでいる。地震当週の「PRGRレディス」、今週予定されていた「Tポイントレディス」、さらに4月第1週の「ヤマハレディースオープン葛城」も早々に中止が発表された。
アスリートであるゴルファーにとっては、自分たちが出来る最大のことはゴルフを通して広く勇気や頑張りを伝えること。大会が中止になることはその場を奪われることを意味するが、無論個人の力ではどうすることもできない。
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そんなジレンマを有村智恵も抱えている。「(試合が中止されるのは)正直、私には分からない問題も沢山あって、(試合を)したい気持ちはあるけど、スポンサーさんのこともある。私たちは、いつ試合が再開されてもいいように万全でいるのが大事。今だから、試合をしてくれるありがたみも分かって来ているし、恩返しが出来るのは最高のパフォーマンスを見せること」。決して練習に専念できる状態ではないが、そう言い聞かせて日々を過ごしているという。
東北高校時代の3年間を宮城県で過ごした有村の元には、ブログやツイッターなどを通じて被災者からのメッセージが多数寄せられている。「私たちのプレーを生きがいって言ってくれる人もいるし、そういう言葉があるから頑張ろうと思います」。
決して一人で戦っているわけではない。有村の次戦は米国女子メジャーの今季初戦「クラフトナビスコ選手権」。週明けに渡米する有村は、「言い訳しちゃいけないし、ナビスコに向けて頑張ろうと思います」と、力強く言葉を結んだ。(編集部:今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka