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「私のクラブじゃない!」地元の菊地絵理香が8位タイスタート

国内女子ツアー「明治チョコレートカップ」が、北海道の札幌国際CC島松コースで開幕。地元北海道の苫小牧出身の菊地絵理香が、1バーディ、1ボギーのイーブンパーでホールアウトし、8位タイとなっている。

この日のラウンド後、笑顔で記者の質問に答える菊地が取材が終わる段階になって興味深い話を始めた。手元に1本のクラブを持っていたが、そのクラブは菊地の6番アイアンで、この日キャディバッグには入っていなかったものだと言う。

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大会前日に行われたプロアマ戦に出たが、そこで一緒にラウンドをした明治製菓の役員のクラブと入れ替わってしまったのだ。プロが帯同キャディを起用していれば、このようなことは起こらない。しかし、菊地はコースのハウスキャディをお願いしていたため、アマチュアと一緒にキャディさんがクラブの出し入れを行っていたからだ。

しかし、プロならば自分のクラブか他人のクラブかは一目で分かるはずだし気づかなければならない。「プロアマの時、その方と私のアイアンがまったく同じだということは分かったんです。でも、まさか入れ替わっているとは思いませんでした…」

菊地がこの事実を知ったのは、初日のスタートを切ってから。7番ホールの2打目、6番アイアンの距離が残りクラブを持ったときに衝撃を受けた。「びっくりしました。シャフトも違うんですけどグリップの色が違うので。そのときは何で???と、しばらく理解できずにいました」。この時点で気づいてしまった菊地は、クラブを交換することもできず、そのままラウンドを続けることしかできない。

キャディバッグの中には、このクラブを含め14本なので違反ではないが、ヘッドは同じでも使ったことのないシャフトのクラブで打つ気にはなれず、その場は5番アイアンを使用。しかし、1番手大きいのでグリーンオーバーを嫌がり、軽めに打ったボールは数ヤードショートしてしまった。

最終18番の3打目でも6番アイアンの距離が残った。「最後に来ちゃったか!」7番でのミスを繰り返さぬよう同じく5番アイアンを代用した菊地のショットは見事にグリーンを捕らえた。このホールを2パットのパーで切り抜け、この日は1バーディ、1ボギーのイーブンパーで8位タイとまずまずの内容だった。

地元北海道での試合ということで、多くの知人が応援に訪れた。その中には、菊地にゴルフを教えてきたプロゴルファーの父親の姿もあった。昨年膵臓の手術を行い、現在も体内に管を入れて治療を続けるが、この日は9ホールを付き添い熱い視線を送っていた。

ラウンド後、6番アイアンが戻ってきたため、2日目は14本全て自分のクラブで戦うことができる。地元の声援を受けて、プロ入り1年目で優勝を果たすことができるか、残り2日間の戦いに注目したい。

2009年 明治チョコレートカップ



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