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綺麗で素晴らしいコース!でもちょっと難しすぎた!?

「ヤマハレディースオープン葛城」は新規トーナメントとして開催されたが、1985年から92年まで「ヤマハカップレディスオープン」という名称で、同じ葛城ゴルフ倶楽部でトーナメントが実施されていた。当時は今回使用した山名コースと宇刈コースを併用していた。今回優勝した山口裕子のスコアは1オーバー。各選手難コースに苦しめられる結果となったが、以前の試合で89年に山名コースで優勝した森口祐子に難易度について話しを聞いてみた。

「このコースは基本的に難しいですよ。風が吹いたらグリーンでボールを止めることが難しくなりますよね。私が勝ったころは、今ほどグリーンは硬くなかったと思います。今週はみんな苦労すると思いますね」。試合前のプロアマ終了後に話しを聞いたのだが、森口の予想は見事に的中した。

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難しいポイントとして上げられるのは、グリーンの硬さ。そして、コースレイアウトの戦略性の高さ。名匠といわれる井上誠一氏が設計したコースで、フェアウェイの形状に加え、ティグラウンドの向きや傾斜。そして、グリーン上に平らな箇所の方が少ないことなど。さらに、この地域特有の強風が加わると好スコアを出すことが不可能になってくる。

最終日に試合を観戦に訪れた、葛城所属の藤田寛之は「このコースで3日間、アンダーパーを出すのは難しいと思いますよ。今日は風が吹いていないから、スコアを伸ばしてもおかしくないんですが、皆さん苦労されていますね」。めったに観ないという女子のプレーを見つめながら、「18番もこうやってスタンドとか立てると会場としての雰囲気が出ますね。ここで試合をするのもいいな」と、自らのホームコースを感慨深く見つめていた。

難しすぎてスコアが悪いと、必然ギャラリーからの歓声も少ない。大会側としての考えを、18番のグリーン付近で待機していた江間陽子競技委員長に話を聞いた。「確かに難しいコースだと思います。優勝スコアがオーバーパーになることは予想していました。さすがに観に来てくださるギャラリーの方々が、ため息ばかりというのはこちらも辛いです。距離を短くするなどの対応はしましたのですが・・・」。

競技委員長はトーナメントディレクターと相談して、試合3日間のピン位置を決めている。通常の試合ならハーフ(9ホール)1時間30分程度で決められる作業が、今回は2倍近い時間を要したという。「カップの位置は最終日から決めていくのですが、左右、前後に振ったところで、平らな箇所が少ないので本当に悩みましたね。グリーンのセンターが平らかというと、ほとんど傾斜が絡んでいるんです。なので、難しくするためではないのですが、左右の狭い位置にしかカップを切れませんでした」。

一昨年は全体的にグリーンが硬かったが、昨年はそのコースもグリーンが柔らかくボールが止まりやすかったと数人の選手から聞いた。選手たちは今回のコースを「綺麗ですよね。でもちょっと難しすぎ!」と一様に声を揃える。今回のようなセッティングが1試合だけでは選手が苦労しただけになってしまう。今後、さらなる選手のレベルアップを期待するならば、ツアー全体のコースセッティングを今回のようにハードにするべきなのかも知れない。世界で通用する選手をもっと多く育てるためにも。(編集部:本橋英治)



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