世界の王から大山志保へのメッセージ
2008/10/24 20:38
「マスターズGCレディース」初日、7バーディノーボギー、自己ベストに並ぶ「65」でラウンドして単独首位に立ったのは、06年の賞金女王・大山志保だ。女王のタイトルを獲った06年以降、07年シーズンは2勝を挙げるも、賞金ランキング8位。今季はここまで未勝利でランキング16位と、本来の力からすれば低迷の時期を迎えていた。
「最近は、“勝ったらいいな”くらいにしか思っていなくて、“勝ちたい”っていう思いは心底無かった」と、闘争心の牙が抜け落ちた状態だったことを、大山は告白する。その心に、再び火を点してくれたのは、意外にも元福岡ソフトバンクホークス監督の王貞治氏だという。
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縁あって数年前に出会った2人。以来、王氏が宮崎に来るときは、大山の父が運転する個人タクシーをわざわざ呼んで、利用してくれるのだという。「昨日、父から王監督を乗せたって電話があったんです」と大山。「王さんが、『女王になっているんだから、堂々と強い気持ちを持って、ぶっちぎって勝ちなさい』って言ってくれて」と、弱気になびいていた大山の心を叱咤する強い言葉を贈られた。
それにもう一つ。大山の心を落ち着かせたのは、最近読んだメンタルトレーニングの本だった。「その本に、『緊張している時はすごく集中している状態だから、それをプラスに持っていけばいい』と書かれていて、今日は緊張するパーパットもあったけど、良い事だと思ってやりました」と、ポジティブ思考でピンチも切り抜けた。
絶妙な精神状態で、ひとり別次元のスコアを叩き出した大山。今日の精神状態と5打のアドバンテージを持ってすれば、「今は、英語の勉強が楽しくて仕方ない!」と期待に胸を膨らます米ツアー挑戦を前に、“優勝”という最高の足掛かりを作る事も困難ではないはずだ。(編集部:今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka