今季ベストは22位タイ。とはいえ、技術の高さは未だ健在の塩谷育代

先週、今季国内初メジャーを制した諸見里しのぶが、優勝会見で憧れのゴルファーとしてあげたのは、過去2度の賞金女王に輝き、子供を2人産んだ現在も現役としてプレーを続ける塩谷育代（46）だ。「お母さんゴルファーというのが、すごくかっこいいと感じています。いろんな意味で大きい人ですよね」と、諸見里。

米国LPGAツアーでは、ママさんゴルファーを助ける為に、ツアーが子供を預かったり、ツアーに帯同しながら学校に通うのと同じ教育を受けられる制度があるが、日本にはまだ存在しない。「ゴルファーというのは特殊な職業だし、旦那の理解、家族の協力、ゴルフと家庭のバランスをとっていかないと続けられない。そういう選手が増えてくると嬉しいですね」と、当の塩谷は言う。

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2人目の子供を産んだ04年に賞金シードを失ったが、昨年末のQTで8位に入り、今季は希望すればほぼすべての試合に出場できる。しかし、「毎週は不可能。月に2試合程度」と塩谷は出場試合を絞っている。「子供たちも、家の事も、問題なくいっていないとゴルフに支障がある」と、その理由を説明する。

そんな中でも「今年は一つ結果を残したい」と塩谷は燃えている。結果とは、もちろん“優勝”の二文字だ。「シード権は考えていないですね。もう一度、夢を。今の若い子達に混じって、優勝争いを出来るところに行ってみたい」と、目を輝かせた。

「出てもいいよと神様が言ってくれている間は、頑張ろうかなと。チャンスは与えられているので」という塩谷。子供を産んでもゴルフを辞めようと思わなかったのは、「もっと上手くなりたかったから」。若い選手達に混じって黙々と練習を続ける姿が、なにより雄弁にその気持ちを物語っている。