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2015年 ハッサンIIトロフィー
期間:03/26〜03/29 ゴルフ・ドゥ・パレロイヤル(モロッコ)

夢はオリンピック アラブ人初の女子プロゴルファーの挑戦

北アフリカにあるモロッコのアガディールで行われた欧州女子ツアー「ラーラ・メリヤムカップ」土曜日の午後、彼女は黙々とパッティング練習を繰り返していた。予選通過にはあと1打及ばなかったが、こうして今日も会場に姿を現した。

モロッコ人としてだけでなく、アラブ人として初の女子プロゴルファーとなったマハ・ハディウィ、27歳。深くかぶったナイキのキャップと鮮やかな蛍光シャツから伸びる浅黒い手足が印象的だ。パッティンググリーンの脇では、ヒジャブで髪を隠した地元女性が次々と、少し緊張した面持ちで彼女のキャディバックとの記念撮影に興じている。

目標とする選手は?と聞いた。「退屈な答えだと思うけど、タイガー・ウッズよ」。すでに何度も同じ質問をされ、そのたびに「あぁ」と決まりきった反応が返ってくることに慣れてしまった彼女は、一瞬「またか」という表情でこちらを見た。その凛々しい姿は、憧れる選手の姪っ子、シャイアン・ウッズとも重なった。

「ゴルフを選んだ理由というわけではないけど、友達にすごくうまい子がいたから、遊びで競い合っているうちに、どんどんのめり込んでいったの」。

イスラム諸国の中でも比較的自由な雰囲気の漂うモロッコで、両親のサポートもあって13歳からゴルフを始めた。こちらが想像してしまうような文化的問題はなかったという。「新しいことをやるということ。誰も教えてくれる人がいなかったので、自分自身でやり方を見つけないといけなかった」という困難はあったが、「多くのことはとても簡単だった」。ハディウィが語った足跡は実にあっさりとしたものだった。

「なぜ今までモロッコには女子プロゴルファーがいなかったのか?」と食い下がってみた。「それは――」と少し考える素振りを見せ、「うん、良い質問ね」と微笑した。目標=タイガー・ウッズの退屈なやり取りを少し挽回でき、日本人記者の質問に真面目に答えてくれる気になったようだ。

「プロゴルフは時間的、地理的な要求が強いスポーツ。時には1カ月以上、家を空けないといけないこともある。モロッコでそれは文化的に難しいし、一般的にすべての文化で、それは女性にとって難しいことだと思う。それに、学校を卒業したらすべてを捨てて、これが自分の仕事だと決断しないといけない。最初はみんな、ゴルフを仕事だとは考えてくれなかった。『ゴルフをしない時はどんな仕事をするの?』って。モロッコではサッカーが一番人気だけど、『サッカー選手はサッカーしかしないでしょ。それと同じよ』って言っていたの」。

いま一番大きな夢はオリンピックでメダルを獲ることだ。メジャー大会よりも、オリンピックだと断言する。「オリンピックは個人というより、国を代表して戦うもの。だから、私にとってはオリンピックの方が大きいの」。

そのためにはまず出場権が必要だ。現在の世界ランキングは675位で、残念ながら60人に厳選されるオリンピック・フィールドには入っていない。多くの試合に出て活躍し、世界ランキングを上げていくのが、目標達成への第一関門となる。

気付くと、インタビューされているハディウィを先ほどの地元女性らがじっと待ち受けていた。彼女たちの目に、この姿はどう映るのだろう?

ハディウィは「ただ1人のアラブ人女子プロとして、誇らしいし、プライドを持っている。もう慣れているから、私の両肩にプレッシャーがのしかかっているとは言わないけど、でもそれも1つのモチベーションになっているわ」と胸を張り、つかの間のインタビューを切り上げた。(モロッコ・アガディール/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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