アルプスで伝統の大会 連覇狙うノレンに川村昌弘が挑む
2017年 オメガ・ヨーロピアン・マスターズ
期間:09/07〜09/10 場所:クランスシュルシエレGC(スイス)
スイスで注目の3人
ヨーロピアンツアーは戦いの舞台をチェコの首都からスイスアルプスへと移し、今週は絶景のコースで「オメガヨーロピアンマスターズ」が開催される。
息をのむ景観のクランスシュルシエレGCは、トーマス・ビヨーンやリー・ウェストウッドといったツアーの顔とも言える選手たちにとって絶好の狩り場であることを証明してきたが、2016年の「マスターズ」王者であるダニー・ウィレット、そして昨季複数の大会で優勝を遂げたアレックス・ノレンにとっても相性の良いコースとなっている。
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今年のクランモンタナ行きを前に、データの達人は様々な要素を鑑み、以下の3人を注目選手としてピックアップした。
本命: ティレル・ハットン
昨季はティレル・ハットンにとって、ヨーロピアンツアーでその存在感を高めるシーズンとなった。何しろ「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」でツアー初優勝を遂げた彼は、「全英オープン」と「全米プロゴルフ選手権」でトップ10入りを果たしたのである。
2016年こそ、ハットンはスイスでベストのパフォーマンスを見せていないが、その前の2回の出場で残した成績は、このイングランド人が当コースで真の脅威たり得ることを示している。2014年と2015年に続けてトップ5入りしたハットンは、この絶景コースの攻略法を熟知しており、輝かしいパフォーマンスを見せたその2年間は平均スコアを「66」としているのである。2016年大会では、ハットンは最終日に「62」をマークし、優勝したダニー・ウィレットに2打差まで迫った。
25歳のハットンはここのところ好調とは言い難いが、好パフォーマンスが期待できる相性の良いコースの再訪は、彼にとって今季のターニングポイントとなるかもしれない。昨季、終盤の6大会全てでトップ25を記録したハットンは、すぐにでもシーズンの流れを変えられると確信している。主導権を握れることを証明したコースとあり、今週は彼の週になるかもしれない。
対抗: ヘイドン・ポルテウス
先週日曜に図太いところを見せたヘイドン・ポルテウスは、「D+D REALチェコマスターズ」でとても見事なヨーロピアンツアー2勝目を挙げた。しかしながら、23歳のポルテウスにとっては、ここ数週間のツアーでの好調が最高潮に達したに過ぎなかった。
南アフリカのポルテウスは、「サルタイヤエナジー ポール・ローリーマッチプレー」でグレゴリー・アブレを下して17位タイに入ると、翌週の「メイドインデンマーク」でも力強いパフォーマンスを発揮した。フォルソでの6位タイは、ポルテウスにとってその時点でのシーズンベストだったが、3ラウンド連続して60台をマークしたことで、彼は新たな自信と共にチェコへと向かったのである。
アルバトロスGRでの週末の2日間に「67」と「69」をマークしたポルテウスは、経験豊富なリー・スラッテリーとの日曜のバトルを制し、2016年の「ヨハネスブルクオープン」以来となるツアー制覇を果たした。
ロングゲームに定評のあるポルテウスは、平均飛距離で今季8位につけており、海抜1,500メートルのプレーは彼の強みを後押しすることになる。ただし、彼が今週もツアーで成功を収めるには、プラハでの勝利の際に見せた鮮やかなショートゲームが必要となる。彼は先週、パーオン時の平均パット数でフィールド中最高の「1.68」をマークしており、スイスでもその好調を持続させることができれば、優勝候補の一人となるだろう。
穴: トム・ルイス
プラハでの力強い1週間を経てクランモンタナへと向かうトム・ルイスには、快活でいられる理由が幾つもある。最大の武器であるロングゲームを安定して結果に反映させ始めたイングランドのルイスは、日曜のアルバトロスGRで3位タイフィニッシュを飾った。
通算10アンダーと、優勝したポルテウスと3打差で大会を終えたルイスは、その2週前の「ポール・ローリーマッチプレー」では9位タイに入っている。2011年にツアー参戦わずか5試合目でヨーロピアンツアー初優勝を果たしたルイスだったが、その後は周囲の期待に添う結果を出せていなかった。しかしながら、ここ3週間のプレーは彼の復調を示唆している。
ルイスは先週、平均飛距離(平均303.8ヤード/8位)、パーオン率(77.8%/6位)、パーオン時の平均パット数(1.71/7位)、そして1ラウンドの平均パット数(29/15位)の各カテゴリーでトップ15入りする出色の数字と共にチェコを後にした。今週も同様の数字を並べることができれば、ルイスは侮りがたい存在となるだろう。