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2016年に学んだ10のコト(後編)

6. 年齢は数字に過ぎない

パドレイグ・ハリントンには、ゴルフは若者のスポーツ、という言葉は通用しない。多くの選手が来季のシード権を懸けてプレーした週に、45歳のアイルランド人選手は時計の針を逆に戻し、「ポルトガルマスターズ」で2008年の「全米プロゴルフ選手権」以来となる優勝を遂げた。昨シーズンは、ビクトリアGCまで一度もトップ10入りを果たしていなかったが、その週は、ヨーロピアンツアーで14勝目を挙げた。とは言え、昨シーズン優勝した最年長者は彼ではない。

「フランスオープン」が第100回目の大会を迎えた記念すべきときに、46歳のトンチャイ・ジェイディーはここ3年で3度目のヨーロピアンツアー制覇をル・ゴルフナショナルで果たした。ハリントン同様、決して好調ではなかったタイのジェイディーは、優勝候補とは目されていない状態だったが、初日に「67」をマークして好調なスタートを切った。週末の36ホールでボギーをわずか1回。「完璧な週が必要なときもありますよね」と述べた。

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7. 手負いのゴルファーには気をつけろ

深刻な手首の怪我は、殆どのゴルファーのキャリアをふいにしてしまうと、誰もが思うことだろう。しかし、アレックス・ノレンは、その殆どのゴルファーに該当しなかった。6月の時点で世界108位だったスウェーデンのノレンは、その後、ヨーロピアンツアーで4勝を挙げ、世界9位まであがってシーズンを終えた。ノレンが手首の問題で4試合全くプレーしなかったことを考えると、彼による歴史的なシーズンの偉大さは長く語り継がれることだろう。

契機となったのは、2015年の「ノルデアマスターズ」以来の勝利を飾った「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」。すると、クランスシュルシエレではスコット・ヘンドをプレーオフで退け、2度目の「オメガヨーロピアンマスターズ」制覇を果たした。「ブリティッシュマスターズ」、そして「ネッドバンクゴルフチャレンジ」と、ノレンは昨季の残り2勝を手にした。何しろ、どちらの大会も日曜の18番ティに立った時点でほぼ確実に優勝を決めていた。古くから言われるように、手負いのゴルファーに気をつけろとは、このことである。

8. 名が体を表していない男、ブランド

リチャード・ブランドの活躍は、間違いなく昨季を賑わせた話題の一つであった。すばらしい1年を送ったイングランド出身の43歳は、6週間で4度のトップ10入りを記録するなど、2016年は7度のトップ10入りを果たした。10月の「ブリティッシュマスターズ」を迎える頃には、ブランドが優勝争いに絡まない方が驚きだった。

「オメガヨーロピアンマスターズ」の5位タイで始まった快進撃は、4位タイに入ったザ・グローブまで続き、ポイントレース「レース・トゥ・ドバイ」を駆け上がったブランドは、最終的に27位でシーズンを終えた。ほんの1年の間に、ブランドは平均順位を49位から27位に上げ、2015年シーズンよりも793, 470ユーロも多く稼いだ。苗字はブランド(意味:つまらない)かもしれないが、2016年はリチャードにとって最高の1年だったのである。

9. ロリーの咆哮

我々が2016年に学んだ最大の事実の一つは、ロリー・マキロイが「ライダーカップ」で勢いに乗ると、完全に手が付けられない力になるということである。北アイルランドのマキロイはチーム戦で3勝を挙げ、9月のヘイゼルティンナショナルで、チームに対する自らの影響力をもう一段階上のレベルまで引き上げた。ここぞというクラッチパットで自らを鼓舞し、日曜のシングルスでは米国のラッキーボーイであるパトリック・リードとの死闘を演じたマキロイは、自らの大陸を代表して戦う意味を表す権化となったのである。

彼のミネソタでのパフォーマンスは、今後、特にペアリングにおいて、彼のチームに与える影響は過小評価できないことを証明した。マキロイはペアで戦った3戦全てで、大会デビューとなったトーマス・ピータースと組み、2人は3戦全勝と無敵を誇った。これは欧州代表にとって、2018年へ向け、パートナーシップの再現が楽しみな好材料となった。見事な活躍を見せたピータースは、1週間に何度もマキロイと組んでプレーすることで感じられた興奮とプライドについて言及したが、これはメジャー4勝のマキロイの欧州代表における重要性がかつてないほど高まったという現れである。

10. みんなビーフが大好き

その名が広まったばかりか、今では顎髭までもが有名になった。「スペインオープン」でヨーロピアンツアー初優勝を遂げたこともあり、アンドリュー・“ビーフ”・ジョンストンは昨季のヨーロピアンツアーを象徴する看板男の一人となった。その飾らない人柄と、常にソーシャルメディアで発進していることがあいまって人気が上がったビーフは、多くのファンを引き連れるようになり、世界中のフェアウェイには愛のこもった彼のニックネームのチャントがこだました。とは言え、やはりレアルクラブ・デ・バルデラマにおける大躍進こそが、ビーフの台頭を促進させたのである。

通算1オーバーで優勝を遂げたビーフは(これは昨季ヨーロピアンツアーで72ホールの優勝スコアがイーブンパー以上となった2大会のうちの一つである)、一躍スポットライトを浴びる存在となったが、その後も飾らない人柄を保ち、見事なゴルフを披露して、「レース・トゥ・ドバイ」を26位で終えたのである。2015年の「スコットランドオープン」で、ビーフはチップインイーグルを決めた際にミゲル・アンヘル・ヒメネスのダンスを披露し、ヒメネス本人が一緒に躍って祝福するという一幕があったが、今にして思えば、あのときに愉快なイングランド人の躍進の種が蒔かれていたのであろう。これはもはや公式見解である。みんなビーフが大好きなのだ。

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