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プレーヤーブログ:マティ・シュミット ドイツ人選手2人目の新人王獲得までの激動の一年

欧州ツアー公式サイトのプレーヤーブログにマティアス・シュミット(マティ・シュミット)が登場。全英オープンでシルバーメダルを獲得してプロに転向し、新人王獲得までの旋風を巻き起こした一年について綴ってくれた。

正直なところ、マルティン・カイマーに次ぐ2人目のドイツ人選手として年間最優秀新人賞を獲得して今年を締めくくることができたのは、とても信じられない。これほど素晴らしいことが起こるなんて考えもしなかった。僕のマネジャーのイリクがこのニュースを知らせてくれたとき、これまでの歴代受賞者リストの入った記事を送ってくれたのだけれど、その仲間入りができてとても光栄だった。僕にとって、かなり非現実的な数カ月だったし、とても興奮している。

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僕がそんな感情を抱いたのはここ数カ月で2度。ゴルフ観戦が大好きな真の一ゴルフファンとして、自分の名前がゲームの歴史の一部となるのは素敵なことであり、7月の「全英オープン」でシルバーメダルを獲得したときもそう感じた。歴代の新人賞受賞者は並外れた選手ばかり。子供の頃からのヒーローだったタイガー・ウッズロリー・マキロイ、そしてマルティン・カイマーの3人と、この2つの栄誉で僕の名前が同列に挙がったかと思うと、信じられない気がする。

ここまでたどり着くために手助けしてくれた人々にとても感謝している。その筆頭は最大の助言者である父だ。僕は4歳ごろにゴルフを始めたのだけど、それは父が地元のゴルフクラブのヘッドプロだったから。父は週2回、子供たちにゴルフを教えていたので、僕がそこに加わったのは自然の成り行きだった。休日になると、父と朝早くからゴルフクラブへ行き、父がコーチをしている間、練習レンジ、あるいは友達とプレーして一日を過ごし、夜に父と帰宅していた。とにかくゴルフが大好きで、プレーをしていない時は、ゴルフについて語り合うか、ゴルフ観戦をしていた。父はたまに僕をミュンヘンで開催される「BMWインターナショナルオープン」へ連れて行ってくれた。僕は父と同じくらいゴルフを愛した。10歳か11歳のころには、バイエルンの選抜チームに入り、15歳でドイツのナショナルチームに入った。僕は素晴らしいゴルフ仲間にも恵まれ、互いに切磋琢磨したけれど、父がいなかったら今の自分はないと思う。、僕らの関係は特別なものなんだ。

大学にもとても感謝している。まだ5月に卒業したばかりだけれど、それまでの4年間は、僕のゴルフにとって、多大な支えとなった。常にプロになるつもりでいたのだけど、高校を卒業した後、スペインとポルトガルでいくつかアマチュアの大会でプレーして、自分はまだ準備ができていないことを悟った。だから僕はテッド・ロングという人に電話をかけ、大学の募集について相談すると、彼は僕にルイビル大を紹介してくれた。僕は1年トライして気に入れば良いし、気に入らなければ家へ帰ってくれば良いと思った。結局、そこが気に入って、4年間をアメリカで過ごし、経済学の学士課程を終了し、断然良いプレーヤーになった。

子供の頃のコーチングは、練習レンジで1時間ほどスイングについて習うものだったけれど、大学でのコーチは、コースにも付いて来てくれて、コースマネージメントの手解きもしてくれた。そこで学んだショット選択により、僕のゴルフは大きく向上した。ドイツにいた頃とは違う物の見方をするようになり、必要とされるショットや弾道など、すべてにおいてうまくなったので、大学で大きな成果を挙げることができた。ただ、大学はツアーでの人生への準備として非常に大きかったけれど、コーチがすべてというわけではない。僕らはルイビル大卒業生で、かつてのPGAツアープロであるテッド・シュルツと一緒にコースでプレーする機会にも恵まれたのだけど、そこでの見識が僕にとって大きな助けとなった。それに、素晴らしいチームメイトにも恵まれた。誰もが異なる強みと弱点を持っていたし、他の学生たちのプレーや、彼らがどういう助言を求めているかに目を向けてみることにより得られるものは、今後ツアーでプレーする上でかなり大きなものだということにも気付いた。

実のところ、僕は大学で4年間を過ごした直後にプロへ転向しようと常に考えていたのだけど、2020年に「欧州アマチュア選手権」で優勝したことで、「全英オープン」が終わるまで待つことにした。その決断は当たった。あのロイヤルセントジョージズでの一週間は素晴らしく、これまでとは違うものだった。というのも、あそこまで大きな大会でプレーするのは初めてのことだった。僕のバッグを担ぐのは父ではなく、僕のマネジャーが手配してくれた。2005年にマイケル・キャンベルが「全米オープン」を制覇した際のキャディだったマイケル・“スポンジー”・ウェイトがバッグを担いでくれることになった。結果として、これは最高の巡り合わせになった。彼は素晴らしかったし、僕にとって完璧なキャディ。感謝している一人だ。

第1ラウンドはそれなりのプレーができたのだけど、ラウンド終盤にアンラッキーもあって、カットラインには程遠い4オーバーをたたいてしまった。でも、スポンジーは僕の知る限り、最も落ち着きのある人だった。僕と父ならとことん改善点について話し合うのだけど、彼はそうはしなかった。ラウンド後、彼は「君のプレーは素晴らしかったし、良いラウンドだった。パターでの運が少しでも向上すれば、明日の僕らは最高になるよ」と言ってくれた。この一言で、かなりリラックスすることができた。それが好転し、金曜には素晴らしいプレーをした。バックナインではパットが決まり、すべての要となった。僕はアマチュアとしての「全英オープン」史上最少スコアに並ぶ「65」をマークし、予選通過を果たすと、最終的にはシルバーメダルを獲得した。それ以降、彼はほぼすべての大会で僕のキャディをしてくれている。

メダルの授与は最高の瞬間だったし、コリン・モリカワと並んで立つのはクールな経験だった。グリーン上でお互い自己紹介をしたとき、彼は大学時代の僕を覚えていてくれた。授賞式で僕について素敵な言葉をかけてくれて、僕にとってとてもありがたいことだった。僕は過去にセルヒオ・ガルシアポール・ケーシーとプレーしたことがあり、彼らも僕のゴルフについて素敵なことを言ってくれたのだけど、そういう選手たちが自分のことを育ててくれるのは、重要な意味を持っている。

それにしても、コリンは素晴らしい人で、彼があの年齢であれだけ落ち着いてクールでいられるのは信じられない。自分と同じ時期に大学でプレーしていた選手たちが良い成績を残しているのも素晴らしいことだと思う。僕はビクトル・ホブランマシュー・ウルフと(大学時代)同時期にプレーしていたのだけど、そうした選手たちが成功している姿を見ると、彼らも素晴らしい大学でのキャリアを経て自分たちの実力を証明することができたのだから、自分にもできないわけはないと思う。

あのプロに転向した週を経て、その後の数カ月がどうなったかを思い返すと、最高の気分になる。というのも、当初は年間最優秀新人賞なんて考えてもみなかったから。当時、僕はツアーのシード権を得ることを願っていたし、シルバーメダルにより、予期していなかった大会に招待されるという機会に恵まれたことに感謝していた。翌週も出場できるかどうか分からず、週末になって翌週もプレーできると分かる時期が何週間か続いた。結局、6、7週間連続して出場したのは、いつまた出場機会が得られるのか分からないなか、いかなる機会もふいにしたくなかったから。

8月、フェアモントセントアンドリュースでの「ヒーローオープン」で予選落ちを喫したので、そこから数週間休むことして、そのときはチャレンジツアーにフォーカスすべきかもしれないという風に考えるようになった。長い議論の末、マネジャーは残り数試合でシード権を獲得するのは極めて難しいから、チャレンジツアーにフォーカスすべきだと言い、僕もその通りにした。ただ、シルバーメダルを獲得する前から招待を受けていた9月「ダッチオープン」が、ひとつだけ出場機会のある大会として残っていた。その週は調子が良いと感じていたけれど、2位に入ったことで、僕を取り巻くかなり多くのことが変わった。シード権獲得へ向け、大きな助けとなったし、自信を高める上でも大いに役立った。常に、自分が最高のレベルでも競い合えるだけのものを持っていると分かっていたけれど、週末、ファンの前で、プレッシャーのかかる状況で最高のプレーをできたのは、自分自身を信じる上で大いに役立った。それに僕は、競い合うには、自分のゴルフをプレーし、正しいことをしていると信じさえすれば、特別なことをする必要はないし、奇跡も必要ないという大きなレッスンを受けた。

その翌週に僕が「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」で良いプレーをすると、マネジャーは僕のランキング、そして年間最優秀新人賞の可能性について話し始めた。それまでは、ツアーにおける僕の良き助言者であり、練習ラウンドを一緒にプレーするマキシミリアン・キーファーがランキングの仕組みについて教えてくれていたのだけど、マネジャーがそういう話をすると、僕にはよりリアルに聞こえた。確かに、少しプレッシャーは増えたけれど、それを達成できてうれしいし、来年のことがとにかく楽しみで仕様がない。まだ、来年の目標については考えていないけれど、正しい取り組みをして、物事を正しく行えば、もっと良いことが起こると思っている。僕のゴルフのキャリアにおける究極の目標は、グリーンジャケットを勝ち取ることだけど、そのチャンスがやってくるまで、僕には自分のゴルフを向上させる上でやるべきことは沢山あるし、それだけに今後のことについて心を躍らせている。

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