ジェームス・モリソンがプライベートラウンドで「58」をマーク
前週火曜(16日)に、ホームコースのセントジョージズヒルで12アンダーの「58」をたたき出して自身の持つコースレコードを更新したジェームス・モリソンが、“非現実的”なラウンドについて語った。
ヨーロピアンツアーの選手たちは、現在、新型コロナウイルスのパンデミックによる中断が開ける来月に備えており、ツアー2勝のジェームズ・モリソンは、英国におけるゴルフコースの再開に、「58」と誰もがうらやむスコアをたたき出すことで花を添えた。火曜にホームコースのセントジョージズヒルを友人3人とラウンド。最終ホールでバーディを奪い、自身の持つコースレコードを3打更新した。
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彼による“非現実的”かつ堂々たるラウンドは、2015年「KLMオープン」の第1ラウンドと2014年「ISPSハンダパースインターナショナル」の第2ラウンドでマークしたヨーロピアンツアーにおけるキャリアベストの「63」を5打も縮めるスコアとなった。「かなり非現実的だった」と、ロックダウン解除後、セントジョージズヒルを週に2、3回ラウンドしているモリソンは述べた。
「とにかく良いプレーができた。この前も良いプレーをしていたのだけど、先週は悲惨な感じだった。58の前のラウンドでは、池にボールを入れ続け、85くらい叩きそうな感じだったんだ」
「58なんてスコアは出したことなかったし、そんなこと予想だにしなかった。大会でのプレーとなると、50台なんて、ほとんど出せるチャンスはないし、ほとんど許されざる領域なんだ」
「単に友人たちとのカジュアルなラウンドだったことは百も承知だけど、思考をスコア作りのモードに戻せたのは良かったし、1カ月後のツアー再開へ向け、ある程度張り詰めたなかでプレーできたのは良かった」
「セントジョージズはとても素敵な場所でね。僕はあそこでジュニアの選手だったし、これまでのコースレコードの61も出していたけれど、ホームコースでは、このところスコアカードをポケットに入れてプレーすることがそんなになかったんだ。ゴルフをプレーするのにとても美しいところであり、歴史のあるコースだから、58を出すことができてとてもうれしい」
10番からスタートしたモリソンは、出だしで3連続バーディを奪うと、15番でもスコアを伸ばし、「31」でハーフターンした。後半に入り、1番と2番で連続バーディを奪ったモリソンは、短いパー4の4番でワンオンに成功すると、イーグルパットをねじ込んだ。
「実のところ、あそこではホールインワンも達成したことがあって、僕には何かと良くしてくれるホールなんだ。打ち下ろしの280ydで、今回は7.5mほどのところにつけて、パットを入れたんだ」
しかし、残り5ホールとなったところで嵐の襲来を受け、モリソンはプレーを放棄しようと考え始めた。同伴競技者が待機してプレーを続行するべきであると主張したため、モリソンは考えを改めた。その後、5番、6番、7番、そして9番と、さらに4つのバーディを奪ったため、今となっては彼も友人の提案に感謝していることだろう。
「残り5ホールで、僕は8アンダーでプレーしていて、土砂降りの雨のなか、僕ら4人は傘も持たずに木の下で肩を寄せ合い、頭にはタオルをかぶって雨をやり過ごそうとしたのだけど、僕はもうプレーを切り上げようとしていたんだ」
「彼らは僕が59を出せるかもしれないと言い、僕は濡れたくないので、そんなの構わないと言ったのだけど、彼らは僕を説得し、また太陽が出てくるまで木の下で30分ほど待ったんだ。雨も上がり、僕は58を出せたのだから、結果的にすべてが上手く行ったね」
「このスコアで稼いだ20ポンドに、友人たち全員の署名をもらったので、これは額へ入れて飾ろうと思う。彼らも、あの場にいたことを自分の手柄にしていると思うよ」
ホームコースで「58」へのパットを打つ際の緊張感と、2018年にオリバー・フィッシャーがヨーロピアンツアーで唯一の「59」をマークした際に経験した緊張感とが異なるのは想像に難くないが、今回モリソンはナーバスにならなかったようだ。
「緊張感はなかったね」とモリソン。「大会での日曜の午後であれば、かなりの緊張感があったのだろうけれど、このときは期待の高さが上回ったんだ」
「最終ホールでフェアウェイをとらえ、セカンドは残り100ydだったので、ヘマしない限り、59を出せるのは分かっていた」
トレーニングとアイアンの精度を磨いたかいがあり、モリソンはこの最新のラウンドが来月の競技再開へ向け自信になったと述べた。
「パットの調子が良かったのだけど、パットは僕の強みだからね」とモリソン。「フィットネスコーチのジャスティン・バックスロープとちょっとした技術的な取り組みをして、その上、アイアンプレーの練習をハードにこなしたんだ。これは、自分のゲームの中で、ここさえ上手く行けば、また高いレベルで競い合い、ウィナーズサークルに戻ることができるという部分のひとつなんだ。実際、最初から最後までピンを狙うラウンドができて良かったよ」
「ここ数年、僕のアイアンのスタッツはひどいものだった。けれど、アイアンがそれなりであれば、通常、僕はかなり良いスコアを出すことができるんだ。いつもはアイアンでショートサイドに外して、バンカーで目玉になることが良くあるのだけど、今回はバーディチャンスを量産するラウンドがプレーできて良かった」
「これはかなり自信になった。結局のところ、僕らは大会で最高のプレーを再現するために練習しているのだから、僕はプレーするときはいつだって、それなりに真剣にやっている。今回のスコアで、これまでやって来たことの全てが良い方向へ作用していると分かったので、これは1カ月後のツアー再開へ向け、間違いなく大いに役立つことになるね」
「(ツアーでは)環境もコースも異なるのは分かっているけれど、無観客でのプレーということで、最初のうちはカジュアルなラウンドに近い感じがすると思う。僕のように沢山ラウンドし、今回みたいな好スコアを出すのは、プラスにしか作用しないと思うんだ。またツアーでプレーするときは、この自信と、このゴルフの流れを引き出すようにしたいと思う」