スロープレーはデシャンボーだけの問題ではない
ヨーロピアンツアーがスロープレー撲滅へ4点プランを発表
2019/08/20 16:09
ヨーロピアンツアーは19日、プロフェッショナルゴルフにおけるスロープレー問題への取り組みとして、具体化された4点プランを発表した。
2020年シーズン開幕から実施される新プランは、7月にヨーロピアンツアー大会委員会によって認証され、その後、微調整が重ねられてきた。主に、規則、教育、革新、そしてフィールド規模という4つの分野に焦点が当てられている。
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規則変更の鍵となるのは、選手がラウンド中に2度制限時間を超過すると1罰打が科されるというもの。これに加え、シーズンを通じて、定期的に時間を計測された選手に対する罰金が著しく増加する見通し。さらに選手がショットを打つ際の制限時間も短縮される。
規則変更に加え、今回のヨーロピアンツアーによる積極的なプランでは、選手の意識改革を促す教育面の改革もキーとなる。
メンバーシップ資格の一部として、全選手は対話式のルール試験に合格しなければならず、新メンバーにはそれぞれ審判員が配置され、ヨーロピアンツアーでのキャリアのスタートに伴い、プレーのペースに関する教育を受ける。
プレーのペースには技術面での革新もある。9月のウェントワースでの「BMW PGA選手権」では新しい時間計測システムが試験的に導入されることになった。
このシステムは画期的な進歩の一環だ。各ホール、各組に正確な時間を計測する審判員が割り当てられ、組やホール間に空きができていないことを逐一監視する。システムとリンクした画面がティーイングエリアに設置され、選手たちには前の組と関連した自分たちの位置が即座に知らされる。
最後に、十分なプレー機会を提供しつつ、大会最後の2日間の各組のスタート時間のインターバルを長くするため、必要に応じてフィールド規模の縮小も行われる。
今回のプラン発表に際し、ヨーロピアンツアーのキース・ペリー代表は、「我々が2020年シーズンから実施するプランは、選手たち、そしてコースに来場するギャラリーやテレビ観戦するファンにとって、ゴルフがさらに楽しめるものになるような有意義な変化をもたらすと確信している」と述べた。
また、大会委員会デビッド・ハウエルチェアマンは、「我々は新しい構想に合意する過程で、興味深く、妥協のない議論を重ねたが、教育、抑止、技術、そしてフィールド規模の変更という組み合わせにより、このゲームに関わる全ての人々にとって、公平で釣り合いの取れた改善をもたらすと思う」と述べた。
4点プランの詳細は以下の通り。
1. 規則(Regulation)
・選手たちが遅れて進行しており、監視あるいは計測されている状況で2度、時間を超過すると1罰打が科される。現行では、監視された選手が時間を超過(最初のプレーは50秒で、2人目以降は40秒)した場合、公式に時間計測が行われ、その後、さらに2度超過した時点で1罰打が科される。新ルールでは、選手たちに1ラウンドにつき1回まで、リクエストに応じて40秒間の延長が認められる、時間延長申請のオプションが与えられる。
・監視とともに導入されたプレー位置につく時間の規則に対する強化。監視下でプレーに入るまでにかけられる時間は15パーセント短縮(現行では上記のプレー時間の2倍)され、最初のプレーについてはこれまでの100秒が80秒となり、2人目以降のプレーは85秒が70秒となる。プレー位置につくまでの時間について、今後、審判員はスロープレーヤーとして知られる選手を、積極的に標的とするよう求められることになる。
・シーズンを通して常習的に時間計測の対象となったスロープレーヤーには、より大きな罰金が科されることになる。例えば、2020年シーズンで時間計測が15回に及んだ選手は、2万6000ポンドを支払うことになる(今季の場合は9000ポンド)。
2. 教育(Education)
・ 新規メンバー全員に、ヨーロピアンツアーでのキャリア出発に伴い、プレーのペースに関する教育を施すべく、専任の審判員が配置される。
・ メンバーシップ資格保有の条件として、全てのメンバーはオンラインで実施される対話形式のルール試験に合格しなければならず、現メンバーについては2019年シーズン末にかけてこれを実施し、新規メンバーについては2020年シーズン序盤に実施するものとする。この試験は現行メンバーに対して3年に一度繰り返して実施される。
・ 主なルールとプレーのペースに関する教育向け動画が、ヨーロピアンツアーのソーシャルメディアチームによって作成され、不必要な競技員との確認を減らし、プレーのペースに関する指針をより良く理解するため、シーズンを通して選手たちとこれを共有するものとする。
3. 革新(Innovation)
・ 2019年9月19日から22日にかけて開催される「BMW PGA選手権」で、時間計測システムを試験的に導入する。これにより、各ホール、各組に正確な時間を計測する審判員が割り当てられ、組やホール間に空きができていないことを逐一監視することになる。
・このシステムの一環として、システムとリンクした画面がティーイングエリアに設置され、選手たちには前の組と関連した自分たちの位置が即座に知らされることになる。
4. フィールド規模(Field sizes)
・完全認可の大会については、カテゴリー18(前シーズンのレース・トゥ・ドバイの111位から125位)以上の選手全員が大会に出場しない限り、フィールド規模を156人から144人とする。これにより、木曜と金曜のラウンドにおいて、審判員が選手たちに速いプレーを促しやすくする。
・土曜と日曜のラウンドでは、各組の流れを向上させるべく、組の間のインターバルを長く取る。