【女子プロレッスン】じーっと見る or ぼーっと見る? ボールの見方はどっちが正解!?
2023年 アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権
期間:03/09〜03/12 場所:シンガポールアイランドCC(シンガポール)
290ydパー4で1Wは「ノー!」 トライ&エラーの練習日
◇アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権 事前情報(8日)◇シンガポールアイランドカントリークラブ(シンガポール)◇6343yd(パー72)
日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームの上田澪空(東京・共立女子第二高2年)が17番(290yd・パー4)に差し掛かったとき、ついて歩いていたチームコーチのクレイグ・ビショップ氏から「ティショットは何で打つ?」と質問が飛んだ。1Wを選んだ上田にコーチの返事は「ノー」。「試しに、1W、3W、ハイブリッドを打ってごらん。結果を見てみよう」と、首を傾げた上田にアドバイスした。
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「同じホールのティショットでも、それが予選ラウンドなのか、優勝争いのさなかなのかでも選ぶクラブが変わることを知ってほしい」とビショップ氏は話す。「サンデーバックナインに勝つチャンスがあれば1W。ここはティが前に動く可能性があるから、通常は楽にバーディを獲れるクラブがいい。無理して振るのではなく、ティショットをよりイージーに」と3W以下を勧めた。
もともと距離の短い17番。ロングヒッターにはチャンスホールだが、230~270yd地点のフェアウェイ脇にはバンカーが点在している。「1Wで打ったらグリーンにギリギリ届くかどうかだけど、ターゲットが狭いので、バンカー手前に刻んで確実にバーディを獲るほうがいい」(上田)と、バンカーのラインにかかるハイブリッドまではリスクになる。「手前からしっかり獲れるように、本戦はロングアイアンも選択肢に入るのかなと思います」と当初選んだ1Wは、少なくとも予選2日間の選択肢からは外す。ポケットからコースメモを取り出して、前日に立てた戦略をアップデートした。
練習ラウンドを各日9ホールで終える海外選手も多い中、上田をはじめ、本大会に出場するナショナルチームメンバー4人は練習ラウンド2日間で18Hずつをプレー。初日はコースチェックと戦略作り、2日目はそれをコースで試す確認作業にあてている。
「若い選手は、もっと自由にクラブの選択肢を考えるべきだ。キャディに全てを頼るのではなく、自分で考える力をつけてほしい」とビショップ氏。この日もホールごとにプランを確認しながら、濃い18ホールを回って開幕に備えた。(シンガポール・サイムロード/谷口愛純)