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藤田寛之、プロ6年目の初優勝!

やはりジャンボ尾崎の追い込みは猛烈だった。お得意、恐怖の5連続バーディ攻勢。後ろからシャーマン戦車が地響きをたてて追いかけてくるようなもので、いままでこのパターンで自滅していった若手・中堅は数知れない。

プロ6年目。28歳の藤田寛之が特別に図太かったわけでもない。「もう駄目かと思った。やっぱりジャンボさんか。自分は勝てないんだろうなと思った」という。もう駄目かと思いながら、しかし冷静にバーディを取り返し、またボギーが出るとバーディでつくろった。
もちろん本人に言わせるとそんなものではない。 「最初からふるえていました。ウィニングパットを入れたときは、もう頭の中が真っ白」という。 「やっと終わった」というのが実感だった。

2打差で追いかけたジャンボの最終ホール、「18番はあまりにもティショットが良すぎた」という完璧なドライバーショット。しかし楽々2オンできるはずの3番ウッドが右に大きくそれた。最後の最後でジャンボの詰めが失敗。ゴルフに「もしも」はないが、もし2オンに成功していたら、勝負の行方はまだまだ混沌とした可能性が大だろう。ジャンボの神通力が衰えを見せてきたのだろうか。

こうやってジャンボ神話を崩す選手がポツポツと現れることによって、ツアーも少しずつ世代交代が進んでいく。藤田寛之。168センチ、70キロ。専修大から葛城GCへ。出場できる試合数は多くなかった。今年はたった7試合目で大きな収穫をつかんだ。涙のかわりに、友人たちから浴びせかけられた祝福のサントリービールで頬が濡れた。

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1997年 サントリーオープンゴルフトーナメント



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