2012年 ザ・メモリアルトーナメント
期間:05/31〜06/03 場所:ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)
「マネジメントに集中できている」石川、首位と4打差で決勝へ
米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」の2日目。イーブンパーからスタートした石川は、2番でボギーが先行する怪しい雲行き。強い雨のため、2時間あまりの中断を強いられると、再開直後の4番ではバンカーショットをミスして再びボギーを献上してしまう。たが、この“雨”が結果的に石川に味方することとなった。
「こっちでプレーしていると、僕の球はアイアンショットの高さが低くて、スピンが少ないという印象がある。軟らかいグリーンの方が有利に働いてくれると思った」と石川。昨日までの固く乾いたコースが一変し、ピンを積極的に狙っていっても受け入れてくれる。石川はすぐに思考回路を切り替えた。
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5番以降、バーディパットを打つ機会は多いが、なかなか決めきることができない。それでも、9番で沈めた2.5mのバーディパットが、それまでのモヤモヤを吹き飛ばす引き金を引いた。
「ミスの許容範囲が狭いから、ピンポイントで狙っていかないといけない」と、雨のあとに吹き始めた強風もあいまって、毎ショット緊張を強いられる。しかし、「今はあまりスイングのことを考えていなくて、よりマネジメントに集中できている」という石川は、コースをよく知るキャディのアダムと共に、必死でもっとも安全な攻略ルートを探っていく。
14番ではグリーンの傾斜を利用して1mに寄せてバーディ。アゲンストとなった15番(パー5)では、ティショットを左ラフに入れたものの、残り136ヤードとなった3打目を6Iの低い球でピンそばへ。「練習場で全然練習してないし、必要なときに打てるのが対応力。まさかあんないいショットが打てるとは思っていなかった。ある意味、自分らしくないプレー(苦笑)。とにかくスムーズに、ヘッドスピードを加速させない、パンチを入れないようにした」という会心のショットに思わず笑みがこぼれた。
16番も獲って3連続バーディとした石川は、18番でもティショットを2Iでフェアウェイキープすると、グリーンは外すも寄せワンでパーセーブ。この日2つスコアを伸ばして、通算2アンダー、首位と4打差の12位タイで決勝ラウンド進出を決めた。
「明日の方がスコアは動いてくると思う。それに乗り遅れないように、ゲーム展開に集中できるようなスイングを維持したい」と、石川らしく論理的に締めくくった。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)