2011年 ザ・プレジデンツカップ
期間:11/17〜11/20 場所:ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)
遼、待望の初勝利!「エルスと勝てて良かった」
「ザ・プレジデンツカップ」3日目は午前にフォアサム、午後にフォアボール5試合ずつを実施。石川遼はフォアサムで、初日と2日目に続いて再びアーニー・エルスとペアを組んで出場。米国選抜のマット・クーチャー、ビル・ハースとの対決に臨んだ。
今週、3回目となるエルスとのペア。「彼がパートナーだと安心する」と全幅の信頼を寄せる一方、石川の中には別の想いが巡っていた。「エルスの組は、勝たなければいけない」。その気持ちに反して、ここまで悔しさ募る2連敗。チームに、そしてエルスに勝利を届けるべく、必勝の覚悟だった。
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しかし、この日も序盤から苦しい展開を強いられる。1番、2番と連取され、早々に2DOWNのビハインド。3番、5番と奪い返してオールスクエアに戻すも、6番、7番と再び連取され、リードを許したまま後半へ折り返す。だが、石川に焦りは無かった。「昨日まで主導権を握られて後半を迎えていたので、(先行される展開は)だいぶ慣れていた」。2日目までの敗北が、経験としてこの日のラウンドで活かされることになる。
10番でエルスが6.5mのバーディトライを沈めて1DOWNに詰め寄ると、12番では相手のミスに乗じてオールスクエアに。14番、15番と互いにUPを分け合い、オールスクエアのまま最後の3ホールを迎える。そして石川は、ここから主役の座を奪う活躍を見せた。16番では、初めて1UPのリード奪う1.2mのパーパットを沈め力強いガッツポーズ。17番では、クーチャーが2打目をピンそば50センチに絡めてバーディを確定させるが、ここで石川が「一番しびれた」という4mのバーディチャンスをねじ込み、1UPのリードを死守する。
迎えた最終18番。エルスがアプローチをオーバーさせて1.5mのパーパットを残すが、「16、17番のパットがあったから、自信を持って打てた」と、このウィニングパットを真ん中から沈めて決着。午前のフォアサムでは世界選抜で唯一となる勝利を収め、米国選抜に一矢を報いた。「ホッとしました。エルスと組んで勝つことが目標だったので良かったです」。決着後はエルスと抱き合い、苦戦が続いていたメルボルンの地で石川がようやく笑顔を輝かせた。
午後のフォアボールは出場メンバーから外れ、「練習しないで今日は休みます」とチームの応援へ。明日の最終日に向け「今日のゴルフをしていれば不安はない」と、心身ともに充実した状態で、初日と2日目のダブルス戦で辛酸をなめたバッバ・ワトソンとのシングルス戦へ乗り込む。(メルボルン/塚田達也)