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石川遼

遼、ギャンブルショット失敗…では終わらない!

「UBS日本ゴルフツアー選手権」2日目の17番、ティショットを左に曲げた石川遼の球は、つま先下がりの斜面のラフに沈んでいた。ピンまでは池越えの190ヤード。球の前方20ヤードほどには、緑の葉をつけた木が聳えており、その状況を見た多くの人が右のフェアウェイに刻むものと思ったに違いない。

しかし、石川はじっと前方上空を見据える。「ちょうど直径1.5m位の大きさの円の空間が空いていて、あの空間を通って本当に上手くいけばグリーンに乗るだろうし、ピンより左の空間だったので、葉っぱに触るくらいなら、キャリー160ヤード位でフェアウェイ近くまで行くと思った」と振り返る。

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しかし、4Iで放った石川のショットは、「(空間の)左下に当たってしまって…。思ったより葉っぱが強かったです」と、ギャラリーのため息と共に池の真ん中に落ちてしまう。打ち直しの4打目で手前カラーまで運んだが、寄せて1パットのダブルボギー。「誰が見てもギャンブルショットだと思います。でも、どれくらいのギャンブルかは人それぞれ。池に入っても、そこから2回で上がれば5で上がれるし、刻んでも上手くパーが獲れるとは限らない。そこからボギーを獲れなかったのは自分のミスです」とこの決断を説明した。

この日は5番でティショットを左の池に入れたが、3打目を5mにつけてパーセーブ。8番でも、左の林からの2打目を木に当てたが、3打目でピンそばにつけてパーを拾う。それまでピンチを切り抜けてきた自信が、17番で一見無謀なショットを決断させたのかもしれない。もし明日も同じ場所に行ったら?石川の答えは「今日を踏まえて、刻むかな」。

17番のダブルボギーで通算2オーバーへとスコアを落とし、カットラインがちらついた石川だったが、そのままでは終わらない。18番のティショットはフェアウェイ左のバンカーに入ったが、「そこはOKと考えていた。右ラフの方がボギーの可能性が高いので、左バンカーの左端までフェアウェイだと思っていた」と振り返ると、その言葉通り第2打できっちりとピン下10mに乗せる。そして、終わり良ければすべて良し。このバーディパットを沈めると、ギャラリースタンドを埋め尽くしたファンに応えるように派手なガッツポーズを見せ、まるで優勝したかのようにボールをスタンドに投げ込んだ。

「最後の1個はおまけとしか思ってないけど、この1打を大事にしていきたい。明日1日でアンダーパーグループに入れるようにしたい」と、通算1オーバーの37位タイで無事予選通過を果たした石川は、興奮冷めやらぬ様子だった。

2009年 UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ



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