2012/08/04GDOEYE

4年後・・・リオ五輪とゴルファーの旬

世界中のスポーツの話題はロンドン五輪に集中。男子ゴルフは今週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」、次週のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」とビッグトーナメントが続くが、どちらも例年に比べて注目度が低下してしまうのも、致し方ないと言ったところだろうか。 しかしながら周知の通り、ゴルフは五輪競技として次回の2016年リオデジャネイロ大会から112年ぶりに正式種目に復帰する。ゴルフは男女ともに毎年のメジャータイトルをかけた戦いで、その都度“世界一”の称号が争われてきたが、4年に一度のオリンピックメダルという新しい価値観がゴルファーの間に生まれることになる。 先のことは分からない。少なくとも...
2012/07/29GDOEYE

川村昌弘、自己申告の1ペナで流れを掴む

前半8番ホールでの出来事だ。川村昌弘がフェアウェイから放った2打目はグリーンに乗り、緩やかな傾斜の上に止まった。残り10mのバーディトライ。アドレスに入る直前、半身をボール方向に向けてパターをソールしながらカップを見て、ボールに目を戻したその時。ボールにペンで引いてあるラインの向きが、最初にボールを置いた時よりも、ほんの僅かにズレていた。「あのときはテンパってしまいました・・・」。 突風などの外的要因によりボールが動く例外を除けば、アドレス後にボールが動いた時点でプレーヤーに1ペナルティが課せられる(ゴルフ規則18-2b)。川村はアドレスに入りかけの状態だったが、「明らかにソールをした後にボー...
2012/06/13GDOEYE

大会最年少出場、注目の14歳は藤田と同組に

今年で112回目を迎える「全米オープン」。その長い歴史の1ページを塗り替えることになり、現地はにわかに活気づいている。大会を主催するUSGAは11日(月)、14歳のアマチュア、アンディ・チャン(中国)の出場を発表。タッド・フジカワ(アメリカ)の持っていた出場最年少記録、15歳5ヶ月7日(06年ウィングフットGC)を大幅に塗り替える快挙となった。 1997年12月に中国・北京に生まれ、10歳で渡米。その後はフロリダに生活拠点を移して今に至る。6月4日、地元フロリダ州で行われた最終予選会に出場し、36ホールを通算2アンダーで回り、補欠ながら出場優先順位1番目となる通算2アンダーの4位タイでホールア...
2012/06/16GDOEYE

M.クーチャー、思い出の詰まったオリンピッククラブ

2012年の海外メジャー第2戦「全米オープン」の舞台は、カリフォルニア州サンフランシスコにあるオリンピッククラブ。この名門コースで同大会が開催されるのは今年で5回目を数え、前回の開催は1998年にまで遡る。 第2ラウンドを終えて、通算3オーバーは首位に4打差の9位タイ。首位の座を見据えた位置で決勝ラウンドを迎えるマット・クーチャーは、感慨深い想いでオリンピッククラブをラウンドしていることだろう。98年大会にローアマチュアを獲得した同じ舞台で、14年後にプロとして首位争いを演じているのだから。 「14年前というのがウソみたいだ。まだ1年か2年しか経っていないようだよ」。それだけ98年大会は、クー...
2012/06/15GDOEYE

ママとプロ、両立を目指す佐々木慶子

2002年のプロテストにトップ合格を果たした佐々木慶子。今年でプロ11年目となるが、09年の8月から約1年半に渡ってツアーから離れていた。それは、第一子の誕生に伴う産休をとったからだ。昨年からツアー復帰した佐々木が、今週に「ニチレイレディス」初日に4アンダーをマークして首位と2打差の6位タイと好スタートをきった。 子供ができたらゴルフを辞めようと思っていたという佐々木は「復帰してもゴルフが続けられるギリギリの年齢かなと思ったのと、09年はシード権を持っていて産休が使えたので」と、2011年からの復帰を決断した。 ツアーでの転戦中は佐々木の両親が子供の面倒を見てくれているという。それでも「やっぱ...
2012/06/15GDOEYE

14年ぶりに戻ってきたカート使用プロゴルファー

最後に開催された1998年以来、14年ぶりに米国カリフォルニア州・サンフランシスコに位置するオリンピッククラブに戻ってきた2012年の「全米オープン」。タイガー・ウッズやロリー・マキロイら主役たちに視線が集中する中、現地ではある1人の“戻ってきた”プロゴルファーが大きくフォーカスされている。 ケーシー・マーティン、40歳。タイガー・ウッズがスタンフォード大在学時の先輩にあたり、現在は地元のオレゴン大学ゴルフ部のコーチを務めている。今月4日にオレゴン州で実施された全米オープンの最終予選会を見事に突破し、98年以来となる同大会の本戦出場を決めた。 マーティンは右足に先天的な障害を抱えており、18ホ...
2012/06/17GDOEYE

笠りつ子は1打差の惜敗に「悔しい・・・」

国内女子ツアー「ニチレイレディス」で初日にお気に入りのウェアを着て5アンダーをマークした笠りつ子が、最終日はこちらもお気に入りという水玉模様のスカートを穿いて気持ちよくスタートした。 ところが、笠の気持ちとは裏腹に前半はショット、パットがいまひとつ噛み合わず3番のバーディ1つで残り8ホールは全てパーとなった。後半に入っても10番でバーディを奪うが、11番でボギーと伸び悩んだ。 そんな笠にご褒美のようなショットが飛び出したのは15番だった。フェアウェイからの残り110ヤードでピッチングウェッジを使用した笠の2打目はピンのすぐヨコに落ちると、1mほど奥でワンバウンドしてからバックスピンで戻りながら...
2012/06/17GDOEYE

勝敗の運命を握る? 難ホール後の“ラッキー7”

今年の「全米オープン」の舞台は、カリフォルニア州サンフランシスコに位置するオリンピッククラブ。3日目を終えてアンダーパーは、通算1アンダーで首位に並ぶグレーム・マクドウェルとジム・フューリックの2人のみ。難コースが牙を剥き、選手たちは皆、神経をすり減らす消耗戦を強いられている。 特に困難を極めるのが、スタートホールの1番から続く序盤から中盤にかけた6ホールだ。3日目を終えたホール難易度(難しい:1番目→易しい:18番目)を見れば一目瞭然、滑り出しでいかにオーバーパーを抑えるかが重要なポイントとなっている。 500ヤードを越えるパー4の1番からして2番目の難易度。以下、2番(428ヤードパー4)...
2012/06/16GDOEYE

左ひじ手術から6ヶ月の土肥功留美「ゴルフが楽しい」

昨年10月の「マスターズGCレディース」を最後にツアーから離れていた土肥功留美が、8ヶ月ぶりに復帰を果たした。2010年のシーズンが終了し、今季のツアー出場資格をかけたクオリファイに挑戦するも優先順位は75位とフル出場する権利はつかめなかった。 4年前から痛みが出始めた左ひじは、時に箸を持つこともままならぬ状態に陥っていた。そしてクオリファイ終了と同時に一念発起し、12月初旬手術に踏み切った。メスを入れると、靭帯が完全に断裂している状態だったため、右手の腱を4箇所移植するという大手術となった。 術後1ヶ月間は指先から腕の付け根までギブスで完全固定。「固定しているときはなんとも無かったけど、その...
2012/06/18GDOEYE

“モンスターホール”の罠にかかったフューリック

最終18番まで混戦は続き、息苦しさすら覚える緊張感に包まれた2012年の「全米オープン」最終日。1つのミスが勝敗の命運を握る、まさにメジャーの名に相応しい戦いが演じられていた終盤に、最終組で誰もが目を疑うようなシーンがあった。 今大会の名物ホール、パー5では全米オープン史上最長の670ヤードを誇る16番。首位タイで迎えたジム・フューリックが放ったティショットは、打った瞬間にそれと分かるミスショット。大きく左に曲がって林に打ち込み、結局5オン1パットで痛恨のボギーとした。米ツアーでも屈指のショットメーカーとして鳴らすフューリックらしからぬ姿だった。 実は、この1打にはある背景があった。最終日はテ...
2012/06/09GDOEYE

青山加織、自分のスコアに驚き伸び悩む

ツアー初優勝を狙って戦いを続ける青山加織が、「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」の3日目、中盤に8アンダーまでスコアを伸ばし一時は2位に浮上した。通算5アンダー4位タイでスタートした青山は、2番でボギーを先行するが3番(パー3)で10mのバーディパットを奪い、スコアを戻した。 中盤、9番でピン奥4mのバーディパットを決めると、11番(パー3)は3m、12番(パー5)では5mを決めて通算8アンダーまで伸ばした。すると13番のティグラウンドに上がった青山は「なんか違うと思っちゃったんです・・・」とその時を振り返る。 「朝、キャディさんと話をしていて、まだ2日あるから今日は落ち着いてプレ...
2012/06/10GDOEYE

フォン・シャンシャンが指摘する “日本の甘さ”

日本ツアーで今季1勝を含む通算3勝をあげ、最新の世界ランキングでは10位につけるフォン・シャンシャン。今週の米メジャー「ウェグマンズLPGA選手権」でも、3日目を終えて7位タイと堂々の活躍を見せている。 日米両ツアーを知るシャンシャンから見た日本とは、一体どういうものなのだろうか?「サントリーレディス」で韓国人アマが優勝し、海外勢が6連勝を達成したが、日本選手は彼女たちより劣っているのだろうか? 今年、新しく福岡CCで開催された「フンドーキンレディス」。初めての練習ラウンドを行ったシャンシャンは、長年日本でキャディを務めるライオネル氏と優勝スコアについて想定した。いくつだと思う?という問いに対...
2012/06/10GDOEYE

記録更新はアマチュア 日本勢6連敗は力の差?

先週、国内女子ツアー史上5度目で1992年以来の5週連続海外勢の優勝となったが、今週の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」で韓国のキム・ヒョージュ(アマチュア)が優勝を果たしたため、6週連続という新記録が達成された。 戦っている選手の多くは「同じ土俵、ステージで戦っている以上、国籍は関係ない」という声も多いが、結果的に外国人選手の名前が優勝者として列挙されることは歴史に刻まれる。今回の記録更新に対し、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)の小林浩美会長は「以前の記録を見ると、海外からの招待選手にあっさりと優勝されたり、力の差は歴然だった。しかし、今は接戦の繰り返しで決して実力の差はない...
2020/01/04GDOEYE

イ・ボミの嗚咽に涙腺崩壊 貴重な韓国挙式体験記

結婚式に招待したい――。そんな知らせが届いたのは昨年12月初旬のこと。イ・ボミとイ・ワンさんの交際発覚後、「結婚式が楽しみ!招待状、待ってるからね」という冗談交じりの会話がにわかに現実となり、とても信じられない気持ちだった。 私がトーナメント現場を離れ、約1年が経過していた。現場で取材をしていた頃は“メディア”と“選手”の間柄。ただ、毎日のように顔を合わせているうちに、ボミとはいつからかゴルフ以外の他愛もない“女子トーク”を交わすようになった。そんな関係性もあり、あの時の会話を忘れないでいてくれた。本当にうれしくて、急きょ年末の渡韓を決めた。 韓国の結婚式に参列するのは今回が初めて。服装は?ご...
2019/10/30GDOEYE

「柏原さん、上にいるよ」イ・ボミ復活の予感は確かか

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース◇マスターズGC(兵庫)◇6510yd(パー72) スコアボードが見える17番(パー3)ティ。杉の木の枝が邪魔をしたが、佐藤賢和キャディには、さっきまで首位で並んでいた柏原明日架の名前が、一番上にあることだけはわかっていた。1組前の柏原が、最高難度のこの17番でバーディを奪い、抜け出していた。 「柏原さん、一打上にいるよ」 佐藤キャディは、イ・ボミ(韓国)に言った。 状況を知らなかったイ・ボミへの通達は賭けだった。プレッシャーに感じ、ショットが崩れるかもしれない。これまでもインパクトの瞬間に手元が緩んでしまうことがあった。ただ石川遼...
2023/03/09GDOEYE

10年目の松山英樹 “LIVに対抗”PGAツアーの変革に何を思う

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報(8日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7275yd(パー72) PGAツアーのジェイ・モナハン・コミッショナーは7日、公式会見で2024年シーズンに行うスケジュールと数試合の競技形式の変更について説明した。それに先駆けて、クラブハウスで選手ミーティングを実施。参加した約50人の中には松山英樹もいた。 ツアーは来季、メジャー4大会、「ザ・プレーヤーズ選手権」、全3戦のプレーオフシリーズのほか、「ザ・ジェネシス招待」、「アーノルド・パーマー招待」、「ザ・メモリアルトーナメント」を含む8大会(正式決定は後日)を高い賞...
2023/03/13GDOEYE

涙をこらえて埋めたディボット 寺岡沙弥香が悩む優しさと弱さの境界線

◇アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権 最終日(12日)シンガポールアイランドカントリークラブ(シンガポール)◇6343yd(パー72) 「何年ゴルフ、やってんの…」と、涙をこらえながらディボットを埋める姿が印象に残った。3日目の3番ホール、寺岡沙弥香は同伴競技者の邪魔にならないようボールを拾い上げたがマークするのを忘れて1ペナルティを受けてしまった。「頭が空っぽ」と自分への怒りで頭は真っ白。それでも、手は無意識にポテトチップスの入れ物に伸びていた。 コンビニで買ったポテトチップスの缶には、目土が詰めてある。「今週は持ち歩ける目土袋がなくて。そのままにするのはイヤだから」と自前の目土...
2023/03/13GDOEYE

池の水、ぜんぶは抜かない17番パー3 キーパーの苦労と沈んだ球の行方

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(12日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7275yd(パー72) TPCソーグラスが誇るアイランドグリーンが生まれたのは偶然か、それとも必然だったのか。話は40年以上前にさかのぼる。稀代のコース設計家のひとりとして知られたピート・ダイが当時のPGAツアーのコミッショナー、ディーン・ビーマンの命を受けてデザインしたスタジアムコース。17番(パー3)が実際につくられたのは設計プロセスの後期だった。 今ある17番の周辺は、もともとは他のホールを作るための土の掘り起こす場所だった。時間が経つにつれ、「これではずいぶん大き...
2024/06/11GDOEYE

レッスン代は1日6000円 笹生優花に“王道”を歩ませたジュニア時代の努力

◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシック by Acer 2日目(8日)◇シービュー ベイコース(ニュージャージー州)◇6190yd(パー71) 笹生優花が初めてゴルフの競技に出たのは8歳の時だという。日本でクラブを握り、環境の優れたフィリピンに移住して2カ月余りのこと。3位までには小さなトロフィ、4位、5位の選手はメダルがもらえたローカル試合で、いきなり優勝した。 10歳でジュニアの世界最高峰大会「US(全米)キッズ」に出場してから、「全米女子ジュニア」、「全米女子アマ」と、王道というべきプロ転向までのルートを歩んできた。東南アジアをベースに、本場の米国、カナダでトップジュニアと競い合っ...
2024/05/31GDOEYE

“21人”出場の日本の立ち位置 「全米女子オープン」出場者の国別内訳は

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented byアライ 初日(30日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70) 国内ツアーで今季3勝の竹田麗央は、27日付の世界ランキングで75位以内(45位)に入ったことで「全米女子オープン」初出場を決めた。今大会に参加した日本勢はこれで21人。ペブルビーチGLで行われた前年大会の22人に次いで史上2番目に多い。 出場選手全156人の出身国は27カ国で、最も多いのがホスト国の米国。総勢50人はフィールドの約3分の1を占める。そして、日本は2番目で、20人の韓国を上回った。(昨年はともに22人だった)。 ここ最近は日韓以外...