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2015年 ザ・RSMクラシック
期間:11/19〜11/22 場所:シーアイランドリゾート(シーサイド)(ジョージア州)

<選手名鑑179>ジョーダン・スピース

■ 2015年を駆け抜けたSuperスピース

今大会はPGAツアー2015年の最終試合となり、約1か月半のオフをはさんで新年1月7日からハワイで行われる「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」から再開する。

2015年で最も印象に残るのは22歳のジョーダン・スピースの躍進だ。2012年、19歳でプロ転向。両親はゴルフとは縁がなく、キャディは教師からの転職、スピースは大学を1年半で中退した未成年だった。どのツアーへの出場権もなく、極めてまれな素人集団で手さぐりの出発だった。一発勝負のスポンサー推薦での試合に挑み、結果を出し続けてガッツでつかんだシード権を、2013年7月、悲願の初優勝につなげていった。ここまででも十分にミラクルストーリーだが、2015年はスーパーヒーローに変身。メジャー2勝を含めシーズン5勝を挙げて年間王者、最優秀選手、世界ランク1位と圧倒的な強さで頂点に駆け上がった。特に際立つプレーを見せたメジャーから、彼の強さを具体的に振り返ってみようと思う。

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■ 2015年4大メジャーで孤高の存在 通算54アンダー

スピースは年間5勝で最多勝利、実力ナンバー1を表す年間王者にも輝いた。際立ったのは4大メジャーでのスーパープレーだった。マスターズ、全米オープンとメジャー2連勝。1930年、球聖ボビー・ジョーンズ以来の年間グランドスラム(4大メジャー全勝、当時は全米オープン、全米アマ、全英オープン、全英アマ)への期待を抱かせた。全英オープンは4位タイで達成はならなかったが、全米プロでは単独2位とメジャーでのパフォーマンスは群を抜いていた。

スピースの4大メジャーにおけるスコアを集計すると合計で54アンダー。2番目はジェイソン・デイの35アンダーで、19ストロークという大差での1位だった。ちなみに3位はジャスティン・ローズの34アンダー、4位はダスティン・ジョンソンの29アンダーだった。これまでの4大メジャーでの年間最多アンダーは、2000年にタイガー・ウッズが記録した53アンダー。その年ウッズはメジャー3勝し、突出した成績を上げた。今年のスピースは当時のウッズをもしのぐ内容で、近年のゴルフ界で最高のパフォーマンスとも言える。4大メジャーすべてで予選通過した選手は、わずか18人。世界のトップが集結、最難関と言われるメジャーの全試合で、予選通過するだけでも十分に評価されることだが、スピースは2連勝、2度の優勝争いで孤高の存在だった。

■ “556人斬り”の強さ

4大メジャーに参加した選手は延べ561人で、スピースは556人の選手を打ち負かしていた。スピースが勝てなかったのは、全英オープン優勝のザック・ジョンソン、同試合のプレーオフで敗れた南アのルイ・ウーストハイゼン、豪州のマーク・リーシュマン、4位タイのジェイソン・デイ、そして全米プロ優勝のデイのみ。米国のテレビ中継局CBSスポーツは「スピースは99.12%の選手に勝った!」と表現していた。これまでの最高は2000年のウッズで99.28%。90%を超えることは稀な出来事だ。2014年、リッキー・ファウラーはメジャー4試合ですべてトップ5入りし、98.04%だったが、それでも彼はメジャー初優勝を飾れなかった。スピースは最高レベルの選手間勝率だけでなく、マスターズ、全米オープン連勝という結果に結びつけていた。

■ パッティング6部門で1位

スピースの強さはショットの安定感に加え、精巧なパッティングにある。その証は数字にも明確に表れており、パッティングの主要スタッツ6部門で1位になった。「18ホールの平均パット」は27.33。9ホール近く、つまり半分近くを1パットで切り抜けていることを表す驚異の数字だ。「1パット率」が44.26。長い距離や難しいラインの場合はこれほどの高確率でパットは決まらないので、ショットやアプローチの巧さも含まれていると理解すべき部門だ。この数字は当然ながらバーディなどにも影響し、スピースのバーディ率は18ホールに付き4.5個で、ランク2位となっている。そのほか、「1ホールにおける平均パット数」、「同部門でパーオンした際のパット数」も1位にランクされ、チャンスを確実に好結果に結びつけ、ピンチはことごとく切り抜ける、パーフェクトに近い無駄のない内容だ。スピースとの勝負がグリーンに持ち込まれたら、ほとんどがギブアップ。グリーン上でコテンパンにやられた選手たちの顔が次々と浮かんでくる。

■ 勝って兜の緒を締めよ

スピースの凄さは22歳とは思えないメンタル面の成熟にも感じられる。世界ランク上位4人を20歳代の選手が占めて以降、メディアはマキロイ、デイ、スピースの「ニュービッグ3」、ファウラーを含めた「ニュービッグ4」と呼び始めた。スピースの今季初戦となったWGC HSBC選手権での会見で、彼は「それを言うのはまだ早すぎる。まだ1、2年しか活躍していない。マキロイは数年間も素晴らしいゴルフを続けているので別格。新時代というのはタイガーのようにある程度長いスパンでの活躍がなければ到来しない。僕はそれに向けて頑張るよ」と冷静に受け止めていた。

現在22歳。中退していなければ大学4年生だ。“ビッグ4”などと言われたら何となくその気になっても不思議ではない。まして、それが勘違いではなく事実なのだから。それでも彼の言動は一貫して浮かれたところがなく、多くを経験したベテランのようだ。名声と莫大な収入を得て慈善活動にはますます意欲的だ。大きな支出と言えば、地元テキサスに中古住宅を購入したくらいで「お金は使わないね。洋服もスポンサーから提供されるもので十分だし滅多に買い物はしない。楽しみは仲間とビールを飲むことで、小遣いを投資にまわしているだけ」と言う。

新シーズンは開幕から初優勝者ラッシュが続き、彼と同世代のライバルたちが次々に名乗りを上げた。バッバ・ワトソンら先輩たちも刺激を受け虎視眈々。スピースは勝って兜の緒を締めねばならないことを理解している。まるでメジャーの優勝争いの局面のごとく冷静に、集中している。新シーズン、追われる立場になったスピースは、デイ、マキロイらと極限までしのぎを削る。

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佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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